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メッシが去り、ベリンガムがやって来た。元マドリー指揮官が占う“今後のバロンドール”【現地発コラム】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2023年12月11日

新たな時代に向けてのキャスティングがすでに始まっている

 より怖さを感じさせたのが、アーリング・ハーランドだ。フレンドリーな雰囲気の中にも常にゴールをフル装填したマシンガンはやはり脅威だ。このトリオはすでに主役を演じていたが、来年のバロンドールはさらなる興奮が待っていることだろう。

 メッシがクラブサッカーの第一線から退いた今、新たな時代に向けてのキャスティングがすでに始まっている。サッカーは常に新たな手法で驚きをもたらす才能が台頭する。次世代のバロンドール候補は一様に長身でパワフルで、アスリート化、複雑化が進む今日のサッカーに対応できるだけのフィジカルを兼ね備えている。サッカーも他と同じように、刹那主義が横行し始めている。

 あらゆるものが変化するのであれば、常に社会を映し出してきたサッカーも変化するのが道理だ。選手が受け取るサラリーからチケットの価格設定まで、サッカーが新たなステージへと向かっていることを示す例はいくらでもある。しかし同時に、文化がその関わる領域において感情を取り込むようになって以来、ここにきて理論と折り合いをつける場としてのサッカーの力を無視してきた知識人たちが、社会的・政治的考察の対象とすることが増えている。
 
 もちろん、ファンが、感情を解き放つことができるバンカーから出ることがないまま、である。サッカーが文化的なパンテオン(古代のギリシア、ローマにおいて諸神をまつるところ)を必要としていない所以でもある。会話のきっかけの定番としての地位を確立するには街角のバル(喫茶店や食堂、居酒屋などが1つに店に集まったような店)で十分であり、それは大衆文化の写し鏡としての証左でもあった。

 つまるところ、サッカーは仰々しく文化にアクセスしない人たちが、美しいもの、異なるもの、叙事詩的なものを見つける場所なのだ。

文●ホルヘ・バルダーノ
翻訳:下村正幸

【著者プロフィール】
ホルヘ・バルダーノ/1955年10月4日、アルゼンチンのロス・パレハス生まれ。現役時代はストライカーとして活躍し、73年にニューウェルズでプロデビューを飾ると、75年にアラベスへ移籍。79~84年までプレーしたサラゴサでの活躍が認められ、84年にはレアル・マドリーへ入団。87年に現役を引退するまでプレーし、ラ・リーガ制覇とUEFAカップ優勝を2度ずつ成し遂げた。75年にデビューを飾ったアルゼンチン代表では、2度のW杯(82年と86年)に出場し、86年のメキシコ大会では優勝に貢献。現役引退後は、テネリフェ、マドリー、バレンシアの監督を歴任。その後はマドリーのSDや副会長を務めた。現在は、『エル・パイス』紙でコラムを執筆しているほか、解説者としても人気を博している。

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙に掲載されたバルダーノ氏のコラムを翻訳配信しています。
 
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