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“玉突き残留”だけはさせられない――6度目の挑戦で帝京長岡が悲願成就。エース堀颯汰の2得点で初のプレミアへ

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2023年12月11日

割り切った戦いでリードを守り抜く

殊勲の2得点。堀は万全の状態ではなかったが、決定的な仕事で勝利に導いた。写真:松尾祐希

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 仲間たちが1年間をかけて積み上げてきた結果を、無駄にするわけにはいかない。「全カテゴリー、全部のチーム、全学年が頑張って練習して、辛い想いをしても一生懸命、試合に挑む姿を見てきた」とはMF水川昌志(2年)の言葉。全部員の想いを背負って、この浦和戦を戦っていた。

 それは選手たちのプレーや振る舞いにも表われている。エースナンバーの14番を背負い、キャプテンを務めるFW堀颯汰(3年)は、怪我の影響で満身創痍だった。右足首痛で前日練習には参加できず。それでも、トレーナーのサポートを受けて先発すると、18分に先制点をゲット。44分には貴重な2点目を奪い、満足に身体が動かない状況でも仕事を果たした。

 右足首以外にも、この試合で左足首や背中を痛めたため、61分に自ら申し出て途中交代。力の限りを尽くしたのは、責任を背負っていたからだった。

 堀がピッチを去ってから1点を返され、残り20分は防戦一方の展開に。ボールを持てず、守ってもスライドが遅くなり、ゴール前でなんとか跳ね返すシーンが続いた。

 ここでMF水川昌志(2年)が、3バックで戦うことをスタッフに提案。古沢監督が動き、MF香西大河(3年)を最終ラインに送り込んで守り固める策を取った。割り切った戦い方で、どうしても欲しかった勝利を掴み取った。
 
 ようやく掴んだプレミア参入の権利。さらに来季は全チームが1つカテゴリーを上げ、よりレベルの高い戦いに挑む。「4チーム同時にシビアなゲームができる。選手たちが良い競争ができるようにしたい」。そう語った谷口総監督の想いは、すでに次に向かっている。

「プレミアリーグに出るだけでは生き残っていけません。自分自身が活躍しないといけないし、結果を残さないと、このステージで生き残っていけない。そういう環境を作れば、自ずと選手は伸びていく。難しいとは思うけど、1年目からチャンピオンを目ざしてやるつもりです」

 苦しい時も辛い時もあった。心が折れそうになったのは一度や二度ではない。そうした経験を経て、ようやく辿り着いた最高峰の舞台。新たな歴史の1ページを作った“北信越の技巧派集団”は、次の戦いに向けて走り出す。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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