【なでしこ】キャプテン宮間を襲う重責と苦悩。彼女の“リュック”を一緒に背負える人間がいないと…

カテゴリ:日本代表

小田智史(サッカーダイジェスト)

2016年03月05日

わずかな可能性を信じ、最後の瞬間まで戦い続けることを誓う。

試合後、サポーターに挨拶する宮間の目には涙が溢れていた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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「自分たちが研究されているのは感じます。どの相手も奪った後の素早い攻撃だけを目指している。それが分かっていながら攻略し切れないのは、自分たちの実力不足と言うしかない。澤さんはいなくなりましたけど、これまでのメンバーも多いなかで結果が出ないと『自分たちが間違っているんじゃないか』と……。サッカーの怖さや難しさを感じています」
 
 試合終了の、日本にとっては敗戦を告げるホイッスルがなった瞬間、宮間はうなだれるしかなかった。その後、キャプテンとして、チームメイトとともに応援してくれたサポーターたちに挨拶に向かうと、「こんなんでいいのか!!」「2020年(の五輪)どうするんだ!!」と、厳しい声を向けられた。

 敗戦の悔しさを堪えつつ、サポーターの言葉を真摯に受け止める宮間の目には涙が溢れていた。しかし、ロッカールームに戻る際には、涙する大儀見優季や横山をかばうようにエスコートしながらピッチを後にした。
 
「結果を出せずに本当に申し訳ないと思います。サポーターの方の声はもっともだし、(私は)キャプテンとしてそれを受け止めないといけない。でも、日本を代表してプレーする自覚を持っていない選手なんていないし、プレー中は負けることなんて考えていませんでした。みんなサッカーが好きで……キャプテンとして仲間を傷つけられたくないので、いくら自分がなにを言われても仲間を守りたい」
 
 韓国戦翌日、なでしこの練習を訪問した澤穂希さんは、「(宮間は)責任感の強いキャプテン。ひとりだけで背負って、自分を追い詰めないでほしい」と話していたが、「重いリュックをみんなに持ってもらう」(澤)どころか、逆にチームメイトたちのリュックさえも代わりに背負ってしまっているかのようだった。

 地元開催、負けられない戦い、そしてキャプテンとしての重責。本来ならば、それらの大きい負担を共有したいところだが、試合はすぐにやってくる。
 
「死に物狂いでやっているつもりですけど、(勝てないのは覚悟や実力が)足りないということ。チームがバラバラにならないように、すべてここに懸けてやってきている。今までも自分たちや監督を信じてやって来たので、それを辞めずに最後まで続けたいです」
 
 五輪出場は絶望的な状況だが、それでもわずかな可能性を信じるように必死に前を向く。宮間は最後の瞬間まで戦い続けることを誓い、運命の3月7日・ベトナム戦に向かう。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
 

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