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岩政体制で再認識、“常勝軍団”復活は一足飛びに叶わない。過去7年間で5人の監督。理想と現実にどう折り合いをつけていくか

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2023年12月07日

あくまで頂点にこだわるなら...

今季は5位でフィニッシュし、7年連続で国内無冠に。ファン・サポーターも現状には満足していないはずだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 とにかく、鹿島が今、考えなければいけないのは、理想と現実にどう折り合いをつけていくかだろう。かつて小泉文明社長が「鹿島アントラーズの存在意義は勝利」と語った通り、毎年必ず何らかのタイトルを取らなければ、フロントもサポーターも納得しない。「すべては勝利のために」というスローガンもあるように、あくまで頂点にこだわるならば、時代や状況の変化に合わせつつ、それ相応のアクションを起こすことが必要になる。

 一番の早道は大迫、山口蛍、酒井高徳、武藤嘉紀らをズラリと並べてフル稼働させた今季のヴィッセル神戸のように、タレント力で優位に立つことだろう。それが難しいのであれば、選手を適材適所に配置してより現実的なスタイルで勝ちに行くFC町田ゼルビアのような方向性もある。

 一方で、少し長期的な目線で個々を育てながら、組織力を高め、勝ちにいく道もある。岩政監督はこの手法を選び、1年半で退任することになったわけだが、鹿島として何を重視するのかを明確に打ち出さない限り、同じことが繰り返されるという懸念はどうしても拭えない。
 
「レジェンドの使い捨ては許されない」という辛辣な意見もSNS上で散見されたが、かつて鹿島に在籍した指導者・選手を呼び戻したところで、彼らを有効活用できなければ意味がない。吉岡FDは今後も“DNAを持つ人材”を戻す方向性を維持するような発言もしていたが、そういう面々の力を最大限に活かすような形も考えてほしい。

 いずれにしても、常勝軍団復活は一足飛びには叶わない。岩政体制の1年半はその難しさを再認識する時間だったのではないか。誰よりも鹿島愛や情熱の強かった若き指揮官が取り組んだことを2024年以降にも活かし、より強固な基盤を構築することを、彼らには強く求めたいものである。

※このシリーズ了(全3回)

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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