選手が前向きになれるように
「僕は高校3年の95年年末の高校サッカー選手権の1回戦・東福岡戦で、開始5秒に怪我をして以来、挫折の連続だった。東海大学4年の時もJリーグから全然オファーをもらえず、自分から複数クラブに連絡して『セレクションを受けさせてくれ』と懇願したくらい。やっとの思いで水戸に受かってプロになれた人間なんです。
だから『負けじ魂』は誰よりも強い。そういうメンタリティが、松本山雅戦の時はより強く出てしまったのかもしれません(苦笑)。ただ、強度の高い相手には絶対に勝ちたかった。昨年はやはり強度に優位性のあるいわきや今治にも勝てなかったんで、そういう思いはすごく強かったですね。
そのためにフィジカルベースを引き上げる取り組みも強化していました。ボールを使ったトレーニングの中に、攻め合いやデュエルの場面が増える工夫を自分なりにしましたね。最後の最後でライバルを振り切ることができたのも、その成果だったのかなと感じます」
就任直後のミーティングで、アメリカ映画『グレイテスト・ショーマン』の中で流れる『This is me』を流したというエピソードは前回触れたが、須藤監督は常に選手の心に働きかける工夫も怠らなかった。
一例を挙げると、愛読書である元中日監督の落合博満氏を描いた「嫌われた監督」だ。「オレ流」で何度も日本一に導いた名将の生き様を参考にした発言や物言いなども取り入れたし、様々な名将から学んだ話術も参考にした。
だから『負けじ魂』は誰よりも強い。そういうメンタリティが、松本山雅戦の時はより強く出てしまったのかもしれません(苦笑)。ただ、強度の高い相手には絶対に勝ちたかった。昨年はやはり強度に優位性のあるいわきや今治にも勝てなかったんで、そういう思いはすごく強かったですね。
そのためにフィジカルベースを引き上げる取り組みも強化していました。ボールを使ったトレーニングの中に、攻め合いやデュエルの場面が増える工夫を自分なりにしましたね。最後の最後でライバルを振り切ることができたのも、その成果だったのかなと感じます」
就任直後のミーティングで、アメリカ映画『グレイテスト・ショーマン』の中で流れる『This is me』を流したというエピソードは前回触れたが、須藤監督は常に選手の心に働きかける工夫も怠らなかった。
一例を挙げると、愛読書である元中日監督の落合博満氏を描いた「嫌われた監督」だ。「オレ流」で何度も日本一に導いた名将の生き様を参考にした発言や物言いなども取り入れたし、様々な名将から学んだ話術も参考にした。
結局のところ、指揮官というのはどれだけ選手の心を掴んで、1つの方向に向かせるかが最も重要だ。J3にいる選手は自己肯定感が低くなる傾向があるだけに、前向きにさせることを意識したという。
「1日の中で練習のセッションがいくつかありますけど、まずは1つでもいいから上手くなってもらいたいと思って練習しています。選手に単なる組織のコマではなく、一人ひとりに成長を意識して取り組んでもらい、実際にレベルアップしてくれれば、自ずと自信を持てるようになる。それは20歳の若手でも、35歳のベテランでも同じ。そういうマインドを伝えることによって、彼らの取り組む姿勢は確実に変化します。
2022年にJ3で2位になって昇格切符を手にした時には、本当にそういう成長を感じた。僕自身も監督として少なからず自信を持てた気がします」
2022年のJ3最優秀監督に選ばれたことで、須藤監督の評価も高まった。そして野心溢れるアグレッシブな男は、23年にJ2という一段階高いステージに挑んだのである。
※第2回終了(全3回)
取材・文●元川悦子(フリーライター)
初参戦のJ2で12位。藤枝MYFCを率いる熱血指揮官・須藤大輔の原点と哲学「誰もやったことがないサッカーをする」
「冬にヴェルディさんから話をいただいた時は断りました」東京Vの城福監督が清水戦後に“就任時の裏話”をカミングアウト
「負けて泣くんじゃねー」エスパ指揮官がゲキ。J1昇格目前も最後に失点...「必死にやっているとか、そんなの当たり前」
「1日の中で練習のセッションがいくつかありますけど、まずは1つでもいいから上手くなってもらいたいと思って練習しています。選手に単なる組織のコマではなく、一人ひとりに成長を意識して取り組んでもらい、実際にレベルアップしてくれれば、自ずと自信を持てるようになる。それは20歳の若手でも、35歳のベテランでも同じ。そういうマインドを伝えることによって、彼らの取り組む姿勢は確実に変化します。
2022年にJ3で2位になって昇格切符を手にした時には、本当にそういう成長を感じた。僕自身も監督として少なからず自信を持てた気がします」
2022年のJ3最優秀監督に選ばれたことで、須藤監督の評価も高まった。そして野心溢れるアグレッシブな男は、23年にJ2という一段階高いステージに挑んだのである。
※第2回終了(全3回)
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