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甲府時代に実感した“楽しむこと”の重要性。藤枝指揮官・須藤大輔は強く願う「イキイキしている姿を見せてほしい」

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2023年12月03日

子どもたちへの指導で痛感したこと

「楽しいサッカー」を追求する須藤監督。「『負けじ魂』は誰よりも強い」という強靭なメンタルも魅力だ。(C)FUJIEDA MYFC

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 Jリーグ指揮官になり、一度もフルシーズンを戦ったことのなかった藤枝MYFCの須藤大輔監督にとって、2022年はまさに勝負の年だった。

 同年のJ3は、J2から落ちてきた松本山雅FC、ギラヴァンツ北九州、愛媛FC、SC相模原の4チームに加え、JFLから上がってきたいわきFCが参戦。試合数も大幅に増えるなかで始まった。

 序盤は福島ユナイテッドFCがスタートダッシュに成功するも、折り返しの17節終了時点では松本、鹿児島ユナイテッドFCが上位争いを展開。藤枝は4位に甘んじていた。

 それでも須藤監督は当初から掲げていた「エンターテイメントサッカー」をブレることなく追求。信念を持ってチーム強化に当たった。

 2021年はハイプレスをかけて主導権を握るというスタイルに近づいたが、結果が出なかった。その反省を踏まえ、22年はボール保持のみならず、奪われた瞬間のカウンタープレスやハイプレスからの攻撃を微調整。攻守のバランスを取りながら、数的優位を作って点を取って勝つという形を模索していったのだ。

 須藤監督はヴァンフォーレ甲府時代の2005年12月、J1・J2入替戦で資金規模的に格段の差があった柏レイソルに勝ってJ1昇格を果たしたことがある。当時の大木武監督も超攻撃的志向を持つこだわりの強い監督だった。その影響も少なからず受けているようだ。

「あの時の甲府のサッカーは本当に楽しかったし、練習していても成長を実感できたんです。他のチームで挫折して、甲府で成功しようと本気になっている選手が集まっていたから、本当に強かった。あの経験は僕の糧になっているし、今もイキイキしている姿を見せてほしいと選手たちに求めています。

 引退後にスクールで幼稚園生や小学生を教えた時にも、楽しむことの大切さを痛感させられましたけど、そういうマインドになって初めてパフォーマンスを最大まで引き上げられるんです」と彼は語気を強める。
 
 楽しさを具現化するために、選手たちのストロングポイントを伸ばすことを特に重視した。たとえば、久保藤次郎(名古屋)であれば、攻撃の推進力や運動量が武器。そこを研ぎ澄ませるように務めたし、2022年チーム得点王の横山暁之であれば、守備の強度は乏しいものの、抜群の攻撃センスを引き出すように仕向けていった。

 弱点を克服させるより、長所を伸ばすほうが怖い選手になれる。そんな確信があって、須藤監督はそういう指導スタイルを採ったのだ。

 そのうえでチーム全員が正しい立ち位置を取り、連動して動けるように仕向け、組織力を高めていった。その結果、組織と個々のストロングが相乗効果をもたらし、結果が出るようになっていったという。

 後半戦の藤枝の快進撃は凄まじく、18試合で黒星はいわきとFC今治相手の2敗だけ。昇格争いのライバルだった鹿児島や松本も振り切った。

 とりわけ、10月9日のホームゲーム、松本戦の1-0は非常に価値あるものだった。パッションの男・須藤監督はヒートアップしすぎて、熱い発言をしてしまい、第4審判に注意される場面も見受けられたが、藤枝出身の名波浩監督が率いるチームを、榎本啓吾の終了間際のゴールで撃破。2位以内に大きく前進し、最終的に昇格切符を掴み取ることに成功したのである。

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