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黄金世代の喜びと苦悩。稀代のテクニシャンは鹿島のリーグ3連覇で全盛期を迎える【本山雅志の生き様:前編】

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2023年11月21日

ヒデ、俊輔、小野、小笠原...

W杯出場は果たせなかったが、日本代表でも印象的なプレーで観客をわかせた。(C)SOCCER DIGEST

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 今の感覚だったら、U-20W杯で名を馳せた選手が海外移籍しないというのは信じられないこと。代理人制度や海外移籍ルールが確立していないなど環境面の問題もあったが、当時は「Jリーグでしっかり活躍して、A代表に入りし、ワールドカップに出る」というのが、成功モデルになっていた。本山自身もそう考えていたという。

 実際、この時代の鹿島は若手が簡単に活躍できるようなクラブではなかった。本山と同じ攻撃的MFのポジションにはビスマルクが君臨。先輩の増田忠俊や同期の小笠原も成長し、本山はプロ4年目までベンチスタートが中心だった。

「1年通して結果を出して、優勝した時に評価されるのが鹿島。自分はそこが足りなかった」と本人も継続性の課題を認めていたが、彼の場合は相次ぐ怪我や水腎症という病気の影響もあり、コンスタントな活躍が叶わなかった。2002年に10番をビスマルクから継承した後も苦しい時間が長く続いた。

 代表レベルでも、2000年シドニー五輪はフィリップ・トルシエ監督に呼ばれたが、02年日韓W杯は落選。ジーコ体制でも2004年アジアカップなどはメンバー入りしたものの、06年ドイツW杯を逃す結果になった。
 
 中田英寿、中村俊輔、小野、小笠原、稲本、遠藤保仁といった分厚い中盤に割って入るのは難しく、ジョーカー枠でも大黒将司や玉田圭司が台頭。本山が滑り込みを果たすことはできなかったのだ。

 結局、代表キャリアは28試合出場で無得点。「ワールドカップに出てみたかった」と本人も引退試合後の会見で後悔を口にしたが、これだけの攻撃タレントが揃った時代は、日本サッカーの長い歴史を振り返っても当時と現在だけかもしれない。

 本山は黄金世代だったからこそ大きく成長できたが、“あおり”を食った部分もあった。そのあたりには複雑な感情もあるだろう。

 しかしながら、彼の全盛期はそこからだった。際立ったのが、2007~09年のリーグ3連覇の時期だろう。07年のオズワルド・オリヴェイラ監督就任直後の鹿島は下位に低迷。不穏な空気が漂ったが、本山や柳沢、岩政大樹、野沢拓也らを中心にチームを立て直し、徐々に上向きになった。まさにそのタイミングで小笠原がメッシ―ナから復帰。夏以降は破竹の勢いで勝ち続けた。

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