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黄金世代の喜びと苦悩。稀代のテクニシャンは鹿島のリーグ3連覇で全盛期を迎える【本山雅志の生き様:前編】

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2023年11月21日

モットーは「サッカーを楽しむ」

11月19日に引退試合「モトフェス」を実施。多くの名手が駆けつけた。写真:福冨倖希

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 2002~15年まで常勝軍団・鹿島アントラーズの背番号10をつけ、数々のタイトル獲得に貢献してきた本山雅志。今年4月に現役引退を発表し、7月から鹿島のアカデミースカウトとして活動している44歳のレジェンドが11月19日、鹿島スタジアムで引退試合に臨んだ。
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 ジーコや奥野僚右、柳沢敦、中田浩二、内田篤人ら数々の鹿島OBや小野伸二(札幌)、稲本潤一(南葛SC)ら黄金世代の面々が一堂に会するなか、本山はハットトリックを達成。決定機を3度逃し、会場を笑わせる一幕もあったが、それも含めて、彼は自身のモットーである「サッカーを楽しむ」というマインドを最後まで身体いっぱいに表現し続けた。

 本山という選手は、東福岡高時代から「常に笑顔で楽しくボールを蹴るサッカー小僧」という印象が強かった。線の細い技巧派が切れ味鋭いカミソリドリブルで大柄な敵をキリキリ舞いしていく姿は、観る者を釘付けにした。98年1月8日の帝京高との「雪の選手権決勝」でも、背番号10は高度な技術で異彩を放っていた。

 卓越したスキルとアイデア、遊び心あるプレーに魅了されたJリーグ関係者は少なくなかった。特に熱心だったのが、鹿島の平野勝哉スカウトだ。東福岡詣を続け、本山の獲得に成功する。
 
 同年の鹿島は小笠原満男、中田、曽ケ端準ら6人もの高卒新人を入団させたが、それも彼らをクラブの中核に育てたいというビジョンがあってこそ。特に本山への期待値は大だった。

 その才能は、プロ2年目の99年4月のU-20ワールドユース(現U-20W杯)で大きく開花する。日本は準優勝を果たし、本山は小野とともにベストイレブンに選出。国内外からの注目度も一気に高まった。

「僕らの世代はみんな上手くて、速く強かった。伸二は真似できないようなレベルだったし、イナ(稲本)はプレスのかけ方が凄い。満男はキックの種類が豊富だった。タカ(高原直泰)はドリブルが上手かったし、相手の取れないところにボールをトラップするのも得意でした。足もとに置くのか、少し離したところでトラップするのか、そういう判断が昔から凄かったですね。

 みんな難しいプレーをするのに、難しさを感じさせないようにしていた。サッカーは1人ではできないから、彼らと一緒にプレーして、しっかり噛み合った時に本当に強いチームができる。自分は活かしてもらうことが多かったけど、その重要性をすごく学びましたね」と、本山は以前、黄金世代からの刺激について語ったことがあった。優れた選手との競演が自身の成長の原動力になったのは、やはり紛れもない事実と言っていい。
 
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