【横浜】不惑まで突っ走る! 38歳の中澤佑二が第一線で輝き続ける理由

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年02月26日

「学みたいな選手を、若い子たちには見習ってほしい」。

今季もCBのファーストチョイスになる。横浜伝統の「堅守」を築くためには、中澤は不可欠な存在だ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 目標を設定し、大好きなサッカーをプレーするだけでなく、高いパフォーマンスを見せるために、決して手を抜かずに練習に励み、ストイックな生活を送る。
 
 38歳を迎えても、トップフォームを維持する中澤について、エリク・モンバエルツ監督は「常に存在感を発揮している。フィジカルテストの結果を見ても、もちろん昔と比べれば少し落ちているのかもしれないけど、このレベルでやっていくクオリティを保っている。モチベーションは非常に高い。生活面も含めて、素晴らしい準備をしている。自分の年齢の限界を超えてやっていこうとしている」と高く評価する。
 
 そうした中澤のプロとしての姿勢が周囲に与える影響は大きいはずだ。もっとも、中澤は自分のスタイルを強制するわけでもなければ、自らが若手になにかを積極的に伝えていこうとはしないスタンスだ。
 
「若い子は自分で気づいて、見て、学んでほしい。言われて学ぶようでは、それはプロじゃない。プロの世界は、ポジションを奪い合うもの。奪うために、より優れている人からいろんなものを盗む。それがひとつの手だと思うし、僕はそうして38歳までやってきた。“俺を見ろ”ではなく、自分で感じたことを、かみ砕いて、モノにしていく。それがプロとして当たり前のこと」
 
 これもまた中澤の“モノサシ”なのだろう。厳しいプロの世界で戦い抜いてきた男は、なかでもひとりのアタッカーには期待を寄せている。
 
「(齋藤)学なんかは、見ていても、話していても、かなり考えていると思う。意識も高いし、精神的に貪欲。いろんなものにトライして、自分なりに考えて、見て、学んでいる。これからも伸びていくでしょうね。学みたいな選手を、若い子たちには見習ってほしい。真似するのは別にカッコ悪くないから」
 
 中澤にせよ、齋藤にせよ、こうして常に高みを目指している選手たちが今季も横浜の中軸をなすのは間違いない。優勝候補に挙げるには少々物足りない戦力だが、“残りのサッカー人生は短い”と語る中澤は、「タイトルを獲りたいという想いは、特に今年はより強くなってきている」と意気込む。
 
 個人としての記録では、現在2年連続フルタイム出場中だが、3年連続に関しては「あまりそこは考えていない」。とにかく「優勝したい」と繰り返す。自分のことよりも、チームのために、横浜のためにという想いに満たされている。
 
 J1は2月27日に開幕。幾多の試練を乗り越えてきた歴戦のCBの雄姿が待ち遠しい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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