練習試合の広島戦後は「ヘロヘロだよ」と苦笑。
2月7日に福岡と練習試合を行なった後、中村はこんな言葉とともに現在の状態を表現した。
「今はキャンプで追い込んでいるので足が重いし、身体のキレがない。だから思い通りのプレーはなかなかできない。それは仕方ないことなので、割り切っていろいろなことを確認している。
今日の福岡戦では下がってビルドアップに関わったけど、最終日の広島戦では高い位置に残ってプレーする。いろいろ試しながらどのバランスが良いか見つけていきたい」
実際、同12日に行なわれた広島戦(●0-1)の前半は、高い位置で我慢しているように見えた。ボールタッチの回数を増やして攻撃のテンポを作りたいという自我を抑え、1トップの伊藤の近くにポジションを取ってゴールチャンスをうかがった。
しかし、広島の組織的な守備の前に、なかなか良い形でボールが入らない。前半、横浜のシュートらしいシュートはわずか2本のみで、いずれも中村の直接FKだった。
この展開に背番号10が業を煮やすのは当然だろう。後半は少し引いた位置でボールを受け、持ち前の展開力で攻撃を構築していく。
それでも、キャンプ最終日で疲労困ぱいの身体は思い通りに動いてくれない。広島の激しいプレッシャーの前に中村らしくないボールロストが多く、失った後に追いかけて奪い返す余力も残っていなかった。
試合後は「ヘロヘロだよ」と苦笑し、足早に宿舎へ。「この時期なので内容はあまり気にしていない」と話したが、Jクラブとのトレーニングマッチで4試合連続無得点と苦しむチーム状況をいかに打開するか、その方策を密かに考えているように見えた。
沖縄での1次キャンプ、そしてこの宮崎での2次キャンプ中、中村は連日のように居残りでシュート練習を実施した。例年であればいち早く宿舎の温泉に直行するのが習慣だった。
それが今年はシュート練習に明け暮れて、笑顔でグラウンドを去っていく。広島戦で身体が重くなったことと無関係ではないが、好調だからこそトレーニングに打ち込めていたという見方もできる。
チームも中村も、約2週間後に迫った開幕に向けて試行錯誤を続けている。絶対的ストライカー不在のチームにあって、いかにして攻撃を組み立てていくか。
練習試合を通してプレーエリアを熟考し、シュート練習を増やしてゴールへの意欲を見せる。『10ゴール・10アシスト』という具体的なノルマを自らに課したのも、自身が果たすべき役割を考えた末の結論である。
最適解はいまだ見つかっていない。だが、左足首を手術するか否かに悩んでいた1年前とはまったく違うコンディションであるのは事実だ。
中村は、ピッチ内で起きている問題について悩むことを楽しんでいる。
取材・文:藤井雅彦(ジャーナリスト)
「今はキャンプで追い込んでいるので足が重いし、身体のキレがない。だから思い通りのプレーはなかなかできない。それは仕方ないことなので、割り切っていろいろなことを確認している。
今日の福岡戦では下がってビルドアップに関わったけど、最終日の広島戦では高い位置に残ってプレーする。いろいろ試しながらどのバランスが良いか見つけていきたい」
実際、同12日に行なわれた広島戦(●0-1)の前半は、高い位置で我慢しているように見えた。ボールタッチの回数を増やして攻撃のテンポを作りたいという自我を抑え、1トップの伊藤の近くにポジションを取ってゴールチャンスをうかがった。
しかし、広島の組織的な守備の前に、なかなか良い形でボールが入らない。前半、横浜のシュートらしいシュートはわずか2本のみで、いずれも中村の直接FKだった。
この展開に背番号10が業を煮やすのは当然だろう。後半は少し引いた位置でボールを受け、持ち前の展開力で攻撃を構築していく。
それでも、キャンプ最終日で疲労困ぱいの身体は思い通りに動いてくれない。広島の激しいプレッシャーの前に中村らしくないボールロストが多く、失った後に追いかけて奪い返す余力も残っていなかった。
試合後は「ヘロヘロだよ」と苦笑し、足早に宿舎へ。「この時期なので内容はあまり気にしていない」と話したが、Jクラブとのトレーニングマッチで4試合連続無得点と苦しむチーム状況をいかに打開するか、その方策を密かに考えているように見えた。
沖縄での1次キャンプ、そしてこの宮崎での2次キャンプ中、中村は連日のように居残りでシュート練習を実施した。例年であればいち早く宿舎の温泉に直行するのが習慣だった。
それが今年はシュート練習に明け暮れて、笑顔でグラウンドを去っていく。広島戦で身体が重くなったことと無関係ではないが、好調だからこそトレーニングに打ち込めていたという見方もできる。
チームも中村も、約2週間後に迫った開幕に向けて試行錯誤を続けている。絶対的ストライカー不在のチームにあって、いかにして攻撃を組み立てていくか。
練習試合を通してプレーエリアを熟考し、シュート練習を増やしてゴールへの意欲を見せる。『10ゴール・10アシスト』という具体的なノルマを自らに課したのも、自身が果たすべき役割を考えた末の結論である。
最適解はいまだ見つかっていない。だが、左足首を手術するか否かに悩んでいた1年前とはまったく違うコンディションであるのは事実だ。
中村は、ピッチ内で起きている問題について悩むことを楽しんでいる。
取材・文:藤井雅彦(ジャーナリスト)