――P・ウタカ選手と浅野選手を途中投入し、見事に機能しました。彼らのような選手をベンチに置き、切り札として起用する意図は？

　１トップ・２シャドーは、３セットくらいの選手が、拮抗したレベルでポジション争いを出来ていると思います。練習で力を見せてくれている選手が非常に多いなか、スタメンを決めるのは簡単なことではありませんし、今日のスタメンが次の試合でもスタメンで出られるとは限りません。
 
　去年のシーズンもそうでしたが、スタメンの選手だけで試合を決めるのではなく、途中から出てきた選手が試合を決める、締めくくると。そういった部分で、次に試合に出るために、常に選手たちが持っている力を見せてくれていると思います。采配については結果論で、たまたまです（笑）。
 
――PKの場面で丹羽選手は顔だったと断言しています。森保監督から見てどう思われましたか？　また、あのPKでゲームプランは変わりましたか？
 
　ハンドかどうかは、私のところからは分からなかったので、我々は審判の判定に従うしかないということです。今日はガンバさんがPKを取られましたが、逆に我々が取られることもあると思います。

　もちろん、その時にはある程度抗議はしますが、判定が覆ることはないと思いますので、もし自分たちがそうなった時には、気持ちを切り替えて次に取り返すためにやっていくことを、私自身も、選手にも言いたいと思います。
 
　２-０になってからもゲームプランは、１-０の時とあまり変わりはなかったと思います。リードしている部分では一緒なので、結果的に１失点してしまいましたが、先制点を取ってからは、相手をゼロに抑えながら追加点を奪っていくというゲームプランは変わりません。
 
――新戦力のP・ウタカは、まだ広島の独特のリズムとは少しずれているように見えましたが、逆にそれが魅力のような気もします。監督はどう感じていますか？

　チームのコンセプトとしては、まだ特に守備の部分でやってもらわなければいけないところはありますので、彼に要求していきたいと思っています。

　しかしながら、彼の良さは攻撃の部分ですので、できるだけチームコンセプトのなかに彼の攻撃の良さを落とし込んでいきたい。起点になるプレーや、今日スーパーゴールを決めてくれましたけど、ゴール前でいかに彼が仕事をできるかという部分を、これから練習や試合を通して少しずつ構築し、強みとして使えるようにしていきたいと思います。
 
　去年のチーム内得点王のドウグラスが移籍してポジションが空いたので、チームを作り直して戦わなければいけません。成長しながら結果を出すと去年も申し上げましたが、今年もチームコンセプトのなかで個の強みを発揮できるように、チーム作りをしていきたいと思っています。