【ブンデスリーガ】ハノーファーで対峙した3人の日本人選手――分かれた明暗

カテゴリ:海外日本人

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年02月07日

ゴールはなくとも――多岐にわたる働きで勝利に貢献した武藤。

勝利への貢献の仕方は決してひとつではないが、果たして今後、武藤はどのような役割を果たしていくだろうか。 (C) Getty Images

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 オープンな展開となった後半は、前半以上にピンチを迎えるも、酒井は多くの場面でこれを防ぎ、複数の選手を相手にしても強靭なフィジカルを駆使してボールを奪われることなく、時には持ち場を離れてでも相手のチャンスを潰していった。
 
 シャーフ監督は試合後、「結果にも選手のプレーにも失望している」と語ったが、そこに酒井も含まれるのだろうか。
 
 清武が復帰して攻撃が安定し、ボールが収まるようになった時、酒井の攻撃力も活かされるようになるだろう。ここから彼が(ひいてはハノーファーが)いかなる反撃を見せるか、少なからず期待と興味を与えるプレー内容だった。
 
 そして、この2人に失意を与えたマインツのなかで、大いに躍動したのが武藤だ。このところ、彼に対する評価は、運動量の豊富さと献身的な動きに向けられているが、この試合でもそれは変わらなかった。「ビルト」紙の採点は酒井と同じく4で及第点である。
 
 71分にフライと交代するまで、攻撃では的確な位置取りとタイミングで味方からボールを呼び込み、また味方にスペースとチャンスを与えた武藤。24分のハイロの決勝点の場面では、起点となる働きも見せた。
 
 守備では、執拗なチェイシングで相手に余裕を与えなかっただけでなく、身体を張ってボールを奪い取り、カウンターに繋げるなど、その働きぶりは多岐にわたった。
 
 地元紙が4としたのは、ワントップとしてゴールへの直接的なプレー――ゴールへ向かうドリブルやシュートが少なかったこと(そして14節のフランクフルト戦以来となるゴールが生まれなかったこと)が影響しているのだろうか。
 
 常に相手の嫌がるプレーを続けた武藤に対しては、及第点以上の評価を与えて良いと思われるが、後半にカウンターでチャンスを得ながらも、ややパスが乱れたりしてこれを逸した点は修正する必要がある。
 
 優勢とはいえ、試合は1点差のまま進んでいたのであり、相手を突き放すゴールを生み出すのが、この時間帯における攻撃陣の重要な仕事だったのだから。
 
 とはいえ、チーム内で最も強い存在感を放っていた武藤は、改めて評価を高めたことだろう。この試合ではライバルのコルドバも好プレーを見せており、決してスタメンは安泰ではないが、この現状はマルティン・シュミット監督にとっては理想的なものに違いない。
 
【試合レポート】ハノーファー 0-マインツ
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