直近５試合負けなしの３位ヘルタ・ベルリンが、２位ドルトムントをホームに迎えた２月６日のブンデスリーガ20節は、上位対決らしく互いにミスの少ない締まったゲームとなった。
 
　ドルトムントのCBパパスタソプーロスの意表を突くロングシュート（２分）で幕を開けた一戦、最初に波に乗りかけたのはホームチーム。４分、カストロのクリアミスを拾ったダリダがエリア内から強烈なシュートを放つ。GKビュルキのセーブに阻まれたが、鋭い一撃でドルトムント守備陣に冷や汗をかかせた。
 
　４-２-３-１の陣形をコンパクトに保ちながら敵に自由を与えないヘルタは、攻撃時に左SBプラッテンハルトと右SBヴァイザーが積極的に攻め上がり、両サイドから切り崩しにかかる。しかし、守備意識の高いドルトムントを前に、アタッキングサードで良い形を作れない。21分にCKからCBブルックスがフリーで合わせたヘディングは、惜しくもゴールマウスを捉えなかった。
 
　すると徐々にドルトムントが盛り返す。中盤でギュンドアンがボールに絡む頻度が高まり、ボール支配率がアップ。ただ、両ウイングが時には最終ラインまで下がるヘルタの堅守を崩せず、こちらも最後の30メートルでのアイデアを欠く。
 
　スコアレスのまま突入したハーフタイムを経て、後半の立ち上がりにドルトムントがゴールに迫る。49分、ロイス、ムヒタリアンと続けざまに際どいシュートを放つ。その２分後にはムヒタリアンのスルーパスで、ついに敵の守備陣を完璧に崩したが、ロイスのラストパスが乱れ、先制ゴールを奪うまでには至らなかった。
 
　その後、パスを回しながら打開を図るドルトムントに対し、カウンター狙いを徹底するヘルタという構図が、フィールド上にはっきりと描かれるようになる。
 
　70分、ヘルタが狙い通りの速攻からチャンスを創出。カルーからのラストパスを受けたイビシェビッチがエリア内で倒されたが、レフェリーの笛は吹かれなかった。
 
　77分にはふたたびヘルタのカウンターが発動。ドリブルで持ち上がった原口がパスを送り、カルーが狙い澄ましたシュートはわずかにゴールの左に逸れていった。
 
　91分にも鋭いカウンターを見せたヘルタだが、結局、最後までドルトムントのネットを揺らせなかった。しかし、最後まで守備の集中を切らさず、リーグ最多得点を誇る相手をシャットアウト。上位相手に勝点１は悪くない結果だ。
 
　なお、前節に精彩を欠いた香川はベンチ入りメンバーからも外れた。
 
文：遠藤孝輔
 
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