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「イングランドでは16歳で選手か審判かを選ぶ」高校生で決意したJリーグのレフェリーという生き方【審判員インタビュー|第6回・高山啓義】

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2023年09月14日

仲間から受ける刺激と共にステップアップ

同期には2014年のブラジル・ワールドカップで開幕戦の笛を吹いた西村主審がいた。(C)Getty Images

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――Jリーグのレフェリーを目ざそうと思ったのはいつでしょうか?

「私が高校1年生の時には、十河先生の指導を受けて3級審判員の資格を取得していました。その時にJリーグがスタートすると報道され、たとえば『外国人レフェリーを招聘』など様々な情報のなかに『イングランドでは16歳で選手か審判かを選ぶ』という記事を見ました。私も16歳だったので、日本でも16歳で審判という道を考えても良いのかなと思ったのはきっかけのひとつです。

 あと、私の代のキャプテンの入江智宏さんが高校卒業後に横浜フリューゲルスに入団したのも理由です。将来を考えられる環境が整っており、私は十河先生のように教員になって、かつトップの審判員として活動していこうと高校時代に決意しました」

――そういった考えもあり、大学では教員免許取得の勉強をしながら、部活動ではなく審判活動を選択されたのですね。

「はい。部活動がなかったので、土日だけではなく、夏休みなどの長期休みも審判活動に励んでいました。その甲斐もあり、20歳で2級審判員になることができました。

 1級審判員へのチャレンジは25歳の時です。当時は、関東サッカー協会の中から、1級審判員にチャレンジできる人数は7人でした。ただ、私は8番目だった。ですが、審判員は兼業が基本でしたから、お仕事の都合で転勤になった方がいて、私にチャンスが回ってきました。そんな流れで一級審判員にチャレンジすることができたのです」

――幸運以上に、そもそも8番に入ること自体が凄いと思うのですが、当時の高山さんの何が評価されたと思われますか?

「年齢的にも活動日数は少なかったので、怖いもの知らずでした。とにかくガムシャラにやっていたので、そこが評価されたのかもしれません。当時、上級の審判員の方々を見て、とにかく巧いと。私が3級審判員から2級審判員に上がる時は、本当に“上げてもらった”という感覚だったので、1級審判員はまだまだ先だと感じていました。にもかかわらず、1級審判員になれたのは、年齢的な評価も加わっていたのかもしれません」
 
――1級審判員からJリーグ担当審判員になるのにもステップがあると思います。たとえば、現役の40代前半のレフェリーの方々は全国地域サッカーチャンピオンズリーグがテストの場になっていたと本連載でお聞きしました。

「私の時は、1級審判員になると同時にJ2担当副審として割り当てとなります。2級審判員時代は主審がメインで、副審は担当しなかったのですが、当時は若いので、スピードでは負けませんでした。でも、副審はそれだけではなく、経験やサッカーへの理解度が重要です。副審が、というよりも、1級審判員・Jリーグ担当としての力不足を痛感しました」

――2000年にJ2副審で力不足を感じながらも、02年からJ2主審、03年にはJ1主審とステップアップしていきます。

「当時は、若い審判員を育成しようという時代背景があり、私にとってラッキーに作用した部分はあると思います。また、私の1級審判員の同期は西村雄一さん(日本サッカー協会と契約するプロの審判員)なのですが、国際主審になるまで同じタイミングで上がっていきました。それも私にとっては大きかったと思います。ひとりで歩むよりも、複数でプロセスを踏んでいく。ひとりだと分からないことも議論できますし、仲間がいるということ、そして仲間から受ける刺激と共にステップアップしていけたと思います」
 
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