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相手を見ながら可変。絶妙な距離感とバランスで背後や逆を取って仕留める。狙い通りだったドイツ戦の先制点

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2023年09月11日

ビルドアップはドイツの守備強度に通用

ボランチの守田は攻守の両局面で存在感。状況に応じたポジショニングも光った。(C)SOCCER DIGEST

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 ここで遠藤の選択肢は普通に考えれば、守田か伊藤となるが、遠藤は2人よりも左前の三笘薫をめがけて大きなサイドチェンジを出したのだ。

 ドイツは全体がボールサイドに圧縮しているので、日本から見て左の大外はオープンスペースになる。ただ、ドイツの右サイドバックで起用されたヨシュア・キミッヒの対応が早く、すぐ三笘と1対1になった。

 ここで守田がインから三笘を追い越し、伊藤が左外を走る間に、ドイツはキミッヒが縦を切りながらヴィルツがプレスバックで挟み込むという守備を見せたが、三笘が上手く外して守田に縦のショートパスを出す。

 この狙いは見事だったが、守田も「僕がちょっと前に張り付きすぎたことで、ジューレに触られる距離感で受けに行ってしまった」と認める通り、結果的に窮屈になったところをニクラス・ジューレにつつかれる形となった。

 だが、そこから縦に出されたボールに、レロイ・ザネよりも早く冨安が反応してセカンドボールを回収。そのまま右足で右スペースの鎌田に通した。

 あとは鎌田から右外でパスを受けた菅原が縦に仕掛けて、ドイツの左サイドバックであるニコ・シュロッターベックを縦に破ってクロスに持ち込んだが、インに走り込んだ伊東がアントニオ・リュディガーの手前でボールに触り、ネットを揺らす。この時、ゴール前には上田に加えて守田も入り込んでいる。
 
「冨安の起点の逆サイドへのパスは、配置的に大地が右サイドにいることで生きたと思いますし、ポジション的にはそこでちゃんとプレーできる狙いとしても良かった」

 守田はそう振り返る。彼が三笘からの縦パスを受けきれずに、相手に触られたところからファーストパスを回収できたのは、少し幸運だったところもあるが、流れとしては冨安が起点になり、右サイドを攻略する形で最初のゴールにつながったのは、チームの狙いと選手のイメージの共有が上手く合った結果でもある。

 後半は5バック(森保監督は3バックと説明)にして、より引き気味に構えながらの対応が基本になり、攻撃もシンプルにドイツの裏のスペースを狙うものが増えたが、前半に見せたビルドアップからの攻めというのはドイツの守備強度にも十分に通用した。

 その時にスタートが4-2-3-1であっても、伊東の先制点は、相手を見ながら可変し、日本側も良い距離感とバランスで相手の背後や逆を取っていって仕留めるという狙いがよく表われたゴールだった。

取材・文●河治良幸

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