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インハイ王者・明秀日立の快進撃が励みに。“チャレンジャー”鹿島学園が捲土重来を期す「失うものは何もない」

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年08月30日

現実を受け止め、何をすべきか考えて行動

 こうした意識変化は、入学して間もない1年生にもしっかりと伝播している。今年の鹿島学園の1年生はかなりのタレント揃いだが、そのなかでこの夏に一気に頭角を現してきたのがMF清水朔玖だ。

 セレッソ大阪U-15時代にはサイドバックのレギュラーとして活躍し、高円宮杯全日本U-15選手権でベスト4進出に貢献した彼は、明秀日立戦はベンチ外だった。

「プリンスリーグでもメンバーには入れてもらったのですが、1試合も出場できずに悔しかったですし、明秀日立に負けた時も外から見つめるだけで何もできない自分が本当に悔しかった。

 同時にそこからの明秀日立の勝ち上がりを見て、『一度波に乗ったチームは強いんだな』と感じましたし、次は僕が絶対に出場して、全国優勝チームを倒して選手権に出たいという新たなモチベーションが生まれました」

 全体練習後の居残り練習も率先して行ない、自分に足りない強度の部分や、得意とするアップダウンからのクロスやシュートの質の向上を意欲的に取り組んだことで、この夏にサイドハーフとして出番を掴み取った。

 アディダスカップの新潟明訓戦では縦パスに抜け出して、鮮やかなダブルタッチでDFとGKをかわしてシュートをゴールに流し込むと、さらに右からカットインを仕掛け、強烈な左足シュートをゴール左隅に突き刺して2ゴールの活躍を見せた。
 
「茨城に来て間もないですが、鹿島学園のために勝ちたいという気持ちがものすごくあります。そのためにはもっと技術をつけていかないといけないですし、守備もできて、アシスト、ゴールもできる選手になりたいです。大阪からここに来て、また一段とサッカーが好きになったと思います」(清水)

 それぞれが現実を受け止めながら、ここからより成長するために何をすべきか考えて行動する。最後に大貫はこう固い決意を口にした。

「明秀日立が全国優勝してくれたことで、僕らの立場はチャレンジャーということがはっきりとしました。失うものは何もないからこそ、フレッシュな気持ちで臨みたい。こういう時こそ自分たちがやっていたことを信じてやり切りたいと思います」

 今この時を巻き返しの機運にできるかどうかは、すべて自分たち次第。これから再開するプリンスリーグ関東1部、選手権予選でその成果と熱い思いをピッチで表現し続けるのみ。彼らにとってリスタートを切る夏は、チャレンジャーとしての土台を作る夏でもあった。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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