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たった1つのクリアミスで...青森山田CB小泉佳絃の悔恨とリバウンドメンタリティ。戴冠の明秀日立に学び「あらゆる面で勉強になった」

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年08月16日

軸足が滑り、上手くミートできず

失点につながるプレーを悔しく思う小泉。この経験を糧に、さらなる成長を誓う。写真:安藤隆人

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「僕のクリア1本で結果が変わってしまって、3冠という目標も取れなくなった。たった1本のプレーで勝敗が分かれてしまう。どんなプレーだってこだわりを持たないといけないと改めて感じました」

 灼熱の太陽が照りつけた和倉ユースサッカーフェスティバル。インターハイを戦い終えた選手たちの多くが石川県和倉市、七尾市を中心に行なわれる日本最大のフェスティバルに集結した。この和倉の地で、素直な心の内を口にしたのが、青森山田の190センチの大型CB小泉佳絃だ。

 ちょうど1週間前に彼は厳しい現実を味わった。インターハイ3回戦の明秀日立戦。0-0で迎えた後半アディショナルタイム3分、青森山田は猛攻を仕掛けると、DF菅澤凱の左からのクロスが明秀日立のDFに当たり、勢いよく跳ね返ったボールがセンターライン手前の小泉のもとに転がってきた。

「本来は(CB山本)虎が10番(根岸隼)をマークして、僕がカバーする立場だったのですが、意図しないところにボールが流れてしまったので、僕が前に出ざるを得なかった。でも、周りは見えていて、右サイドにヒデ(MF杉本英誉)がいたので、左足でそこに蹴ろうと思ったんです...でも、軸足が滑ってそのキックを上手くミートすることができなかったんです」

 明秀日立のFW根岸が猛然と詰めてきたことと、雨の影響によって天然芝のピッチがスリッピーだったこともあって、小泉は体勢が崩れた状態でボールを蹴ってしまった。

 そのボールは相手ペナルティエリア前中央でラインアップしていたDF飯田朝陽の目の前にグラウンダーで飛んでいき、飯田は小泉と山本の両CBの背後にできたスペースにダイレクトで大きく蹴り返した。
 
「蹴ったボールが相手に渡った時は、『絶対に背後くる』と思ったのですが、僕は体勢が崩れてしまっていて、背後を見たら虎も中に絞り切れていなかった。『やばい』と思ったのですが、その時にはもう遅かった」

 無情にも小泉の上空を越えていったボールは、フリーで抜け出した根岸のもとに届く。山本が全力疾走で追いかけ、小泉もすぐに起き上がって全力で追いかけた。しかし、根岸は飛び出してきたGK鈴木将永をかわして無人のゴールに蹴り込んだ。これが決勝点となり、青森山田は3回戦敗退を喫してしまった。

 この失点シーンで得た教訓が、冒頭の言葉だった。小泉はその言葉を発したあと、こう続けていた。

「僕はただゴールを決められるのを見つめることしかできなかった。あの時、セーフティに大きくクリアして、サイドや遠くまでボールを飛ばせば良かったのに、変に繋ぐことを意識してしまって、中途半端なプレーになってしまった。相手の技術も凄かったのですが、僕の技術不足を痛感しました」

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