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“プロ育成”の相生学院高がドイツ遠征を実施。実り多き全3試合を終え、意識が一変した選手たちに上船監督がかけた言葉

カテゴリ:高校・ユース・その他

加部 究

2023年08月25日

相手には年代別ドイツ代表の選手も

現地ではシャルケU17、オイペンU18、ボルシアMG U19と対戦した。どのチームの監督からも「是非またやりたいな」と声をかけられた。写真提供:相生学院

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 初戦の対戦相手は、シャルケ04のU17チーム。2年生以下の相生に対し、年下が大勢を占めたが0-3で完敗した。浮き彫りになったのは、両ゴール前での意識の相違だという。上船監督の見解である。

「ドイツのクラブのトレーニングを見ていると、圧倒的にボックス内の攻防が占める割合が多い。だから彼らは1点の重みを熟知し、ペナルティエリア内での危機感が違った。たとえばポゼッションのトレーニングと、ボックス内のトレーニングでは、ディフェンダーの距離の詰め方、身体の寄せ方が全然違う。

 一方で得点チャンスになれば、守備側のほうが焦っていることを踏まえて冷静な判断ができていました。逆に相生は、そういうシーンで慌ててしまうので、そのクオリティを考えれば、決定機が作れたとは言えませんでした」

 率直に未知の国際試合で、相生の選手たちはシャルケという名前に圧倒されていたという。実際シャルケには年代別ドイツ代表に名を連ねる選手たちも複数存在したそうだ。

 2戦目はオイペンU18と対戦。トップチームがベルギー1部に属するオイペンのU18は、ある日本の強豪県選抜が大敗を喫しており「相当に強い」という情報が届いていた。
 
 しかしフタを開けてみれば、相生がワンサイドに近い展開でボールを支配し続けた。だが2度のPK判定を受け、そのうち1本を決められ、それが決勝点となり0-1で敗戦。ただしシャルケU17との初戦に比べれば、パススピードや球際などが見違えて改善され収穫の目立つ試合になったという。

「現地では4部リーグの試合を見る機会もあったのですが、ドイツのファンが最も盛り上がるのは、個々の局面で身体を張ってセカンドボールを拾ったり、最後まで諦めずに追いかけてシュートブロックをしたり...など気持ちの見えるプレー。要するに球際での熱いプレーというのは、ここで戦うには大前提になる。

 一方でパススピードなどは、現地の基準を知れば技術はあるので即座に対応できる。僕自身もドイツでプレーしてから5年間以上も経過しているので、改めて良い勉強になりました」

 そう語る上船監督は、早くから欧州のクラブに挑戦するメリットを指摘した。

「まず日本の夏は酷暑に見舞われますが、ドイツは同じ時期でも半袖では肌寒いくらい。真夏の日本で長時間トレーニングを続けると、どうしても無駄な頑張りが多くなりがちですが、欧州ならインテンシティの高い効率的なトレーニングを続けられます。また20歳を過ぎたら個々の選手たちは、実戦経験を重ねて成長していくわけですが、日本ではプロ、大学ともに試合に出られる選手の数が少な過ぎます。さらにドイツには多様な人種が集まってきているので、身体的な特徴にも早くから慣れることができます」

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