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【サッカーダイジェストの視点】神懸る手倉森采配。イラン戦の勝因も浅野、豊川投入のタイミングにあり

カテゴリ:日本代表

本田健介(サッカーダイジェスト)

2016年01月23日

選手たちの体力を温存できた点は非常に大きい。

「元々は先発起用するつもりだった」(手倉森監督)という豊川をベンチスタートに回し、途中出場で結果につなげた采配は見事というほかないだろう。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 今予選、手倉森監督の采配は冴えに冴えている。初戦の北朝鮮戦では、「奈良とどちらを起用するか迷っていた」という植田をCBで先発させると、その植田が決勝ゴールをマーク。続くタイ戦では先発起用した矢島がゴールを決め、70分から途中出場させた久保も2得点と結果を残した。さらに3戦目のサウジアラビア戦でも先発起用の井手口がゴールを挙げている。
 
「日本のサッカー界を支える選手たちを鍛えあげたいなと、全員を使う気持ちでこの大会に来ました」とグループリーグでは、フィールドプレーヤー20人全員を起用した点もチームに好影響を与えた。各選手の体力消費を抑え、コンディションを整えさせたことで、イラン戦では終盤勝負という策も練れた。
 
 またイラン戦で先制弾を挙げた豊川は元々、切り札としてではなく、先発起用を考えていたという。「スタメンは各ポジションでヘディングが強い選手を選んだ。(イランの)高さが恐かったので。そのため前日の段階では、先発は中島じゃなく豊川にしていた。でも試合日の朝『あまりにも高さを恐がって相手に合わせすぎたら、勝ち運にも見放されるのではないか』と、一瞬の閃きで決めました」と明かす。
 
 この決断が勝敗に直結するのだから、まさにその采配は神懸っているとしか言いようがない。
 
 ただし、ここまでの4試合、選手起用でやりくりをしてきたとはいえ、相手のフィニッシュ精度の低さに助けられた部分も少なからずあった。たらればの話になってしまうが、もしイラン戦で先手を取られていたら、まったく別のゲームになっていたはずだ。
 
 そう考えると、まだまだ安心などできない。リオ五輪出まであと1勝(準決勝もしくは3位決定戦で勝利すれば決定)のところまでは来たが、苦しい戦いはこれからも続きそうだ。
 
 準決勝の相手はイラク対UEAの勝者となる(試合は日本時間1月24日の深夜1時半から)。
 
 指揮官は準決勝へ向け「まずしっかり回復し、対戦相手の分析をしないといけない。ただ、チームには勢いがある。それを持続できるような戦い方に持ち込みたい」と話す。また、イラン戦の先発メンバーは「先のことも考えてのオーダー」だったという。
 
 勝負師・手倉森監督が準決勝ではどんな顔ぶれをスタメンに選んでくるのか。そのメンバーリストを見る瞬間が待ち遠しくなってきた。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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