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「暗いサッカー」“人気のない智将”ベニテスはなぜ2年目に失速するのか。選手が「嫌気が差した」と嫌悪した練習法とは?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2023年08月08日

体力面で劣った選手は蹴落とされていった

 ベニテスは、トレーニングを徹底的にパターン化した。練習はとにかくボールを使い、小さなスペースでボールを持ち、回すという練習を繰り返し、その質を高めた。選手同士がお互い試合並のプレスをかけ、まさに試合仕様だったが...。

 選手たちは、攻撃よりも守備、技術面より体力面を要求されたという。スペースに走って作る点が重んじられ、体力面で劣った選手は蹴落とされていった。フィジカルデータで運動能力のある選手が重宝され、戦闘的なプレーが求められた。

「ポゼッション練習なのに、まるでお互いが邪魔する感覚の練習だった。そのうち、嫌気が差したよ」

 当時の麾下選手の言葉だ。
 
 同じポゼッション練習でも、ジョゼップ・グアルディオラのような監督とは正反対のアプローチと言える。退屈で、つまらない。1年目がベストシーズンで、2年目以降、ベニテスのチームは失速し、やがて嫌悪感が蔓延しているのだ。

「ベニテスのサッカーは暗い」

 それは不当な評価だが、結果を出しているにもかかわらず、人気がないのも事実である。

文●小宮良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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