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失意のPK失敗...うずくまる山元敦琥を慰める輪。決死の覚悟で矢板中央を支えたMFは、間違いなくチームの中心だった【総体】

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年08月02日

チームのために足を止めず奮戦

試合後、うずくまる山元にチームメイトが寄り添う。その貢献度を誰もが理解していた。写真:安藤隆人

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「僕はこれまで散々迷惑をかけてきたし、同時に進路の面でもまだ知られていない存在。チームの勝利によって自分という存在を知ってもらいたい。僕はこの大会に全てをかけています」

 ますますモチベーションが上がったことで、組む相手が変わっても山元のプレー強度は一切変わらなかった。

 2回戦の東邦戦では、優勝候補の神村学園を破って勝ち上がってきた相手の攻撃の芽を積み、3-1の勝利に貢献する。3回戦の高川学園戦では、後半途中で試合が3時間近く中断するなかで、最後まで集中を切らさずにクリーンシートを支え、チームはPK戦を制して勝ち上がった。

 迎えた準々決勝の国見戦。ボールを動かして崩しにかかる国見に対し、中盤で一切の隙を与えなかった。身を投げ出してコースを切り、何度も相手に寄せて自由を与えなかったり、チームのために足を止めなかった。

 スコアレスのままPK戦に突入すると、1人目のキッカーを任された。だが、ボールはバーの上を超えていった。矢板中央はさらに1人が外し、山元の初のインターハイはベスト8で終わった。
 
 試合後、山元はその場にうずくまったまま、しばらく動けなかった。だが、その貢献度を周りは理解していたからこそ、彼を慰める輪ができた。山元にとっては悔いが残る終わり方だったかも知れないが、間違いなく、この大会のチームの中心であった。

「僕は上手さを求められているわけではないので、チームのためにできることをやる。それはこれからも変わりません」

 高川学園戦後に山元はこう話していたように、ここで足を止めている場合ではない。進路を切り開き、高校最後の冬でさらに成長した姿を見せるために。山元はこれからもがむしゃらに走り続ける。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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