最初からオープン過ぎるタイのサッカー、枠にはまり過ぎの日本サッカー。
――もう少しタイでの経験について訊かせてください。タイは日本と大きく文化の異なる国だったと思います。多かれ少なかれ、やりにくさもあったのでは?
そうですね。今まで経験したことのない、いろんな状況があったので、やはり相手の気持ちを理解することは必要不可欠でしたね。「微笑みの国」というだけあって、タイの人はみんな笑顔で……(笑)。深く知れば知るほど、その裏腹にある気持ちや本当の意味を理解するのはなかなか難しい。
タイの人たちは、午後は4時以降にならないと人が出てこない。理由は暑いから。素晴らしい(笑)。日本人の僕にしてみれば、もうみんな心のままに生きている感じです。日本じゃ暑かろうが、寒かろうが、みんなスーツを着て朝から出勤するでしょう。電車に揺られて嫌でも出てくる。タイにはそういう文化がない。
――まさか指揮を執ったチェンマイFCも同じような状況だったのですか?
さすがにクラブではそこまでじゃないけど、選手たちも4時からじゃ暑くて練習できないと言うので、「じゃあ5時からにするか」って(笑)。でも、半分冗談のようで、半分そういうところもあるから、やっぱり人の心を大事にしながら、その土地の習慣や風習も考慮しながら、関係を築いていくことが必要でしたね。
――しばらく日本を離れ、改めて現在のJリーグをご覧になってどんな印象を持ちましたか?
昨年の10月にタイから帰ってきて、まずシーズン終盤のJリーグを観たんですけど、ちょっと厳しい言い方をすれば、0-0狙いのチームがけっこう多いなと思いましたね。普通に終われば0-0、運が良ければ勝点3が手に入るというサッカーが多いなと。
これはどのカテゴリーを見ても同じように感じましたね。最初から相手より多く点を取ってやるんだという感じでプレーしているチームは、代表的なところでは浦和や広島くらいで、あまり多くはない印象です。
――タイは随分攻撃的なサッカーをするチームが多いと聞きます。
タイリーグのサッカーは「10₋10の試合をやるつもり?」というくらい最初からあまりにもオープンな展開になる(笑)。だから、試合のハイライトを作ると、「面白い!」という感想がよく聞かれるんです。
ただ、そこは裏腹で、規律や決まり事といったものがあまりない。逆に日本はそういうものがすごく多過ぎて、結果0-0になってしまうように自分には見えました。
だから結局日本では、枠からはみ出ちゃいけないっていうサッカーが多いのだと思うんです。基本となる軸から“広げていく”という発想があまりない。それはいまの育成年代のサッカーにも言えているだろうし。帰ってきて日本のいろんなカテゴリーの試合を見て感じたことですね。
――そういった日本の現状を変えたいという想いもあるのでは?
ただ、そのためにも勝たなければいけない。負けたら変えることはできませんから。それにどういうふうに挑むかを考えなければいけません。
そうですね。今まで経験したことのない、いろんな状況があったので、やはり相手の気持ちを理解することは必要不可欠でしたね。「微笑みの国」というだけあって、タイの人はみんな笑顔で……(笑)。深く知れば知るほど、その裏腹にある気持ちや本当の意味を理解するのはなかなか難しい。
タイの人たちは、午後は4時以降にならないと人が出てこない。理由は暑いから。素晴らしい(笑)。日本人の僕にしてみれば、もうみんな心のままに生きている感じです。日本じゃ暑かろうが、寒かろうが、みんなスーツを着て朝から出勤するでしょう。電車に揺られて嫌でも出てくる。タイにはそういう文化がない。
――まさか指揮を執ったチェンマイFCも同じような状況だったのですか?
さすがにクラブではそこまでじゃないけど、選手たちも4時からじゃ暑くて練習できないと言うので、「じゃあ5時からにするか」って(笑)。でも、半分冗談のようで、半分そういうところもあるから、やっぱり人の心を大事にしながら、その土地の習慣や風習も考慮しながら、関係を築いていくことが必要でしたね。
――しばらく日本を離れ、改めて現在のJリーグをご覧になってどんな印象を持ちましたか?
昨年の10月にタイから帰ってきて、まずシーズン終盤のJリーグを観たんですけど、ちょっと厳しい言い方をすれば、0-0狙いのチームがけっこう多いなと思いましたね。普通に終われば0-0、運が良ければ勝点3が手に入るというサッカーが多いなと。
これはどのカテゴリーを見ても同じように感じましたね。最初から相手より多く点を取ってやるんだという感じでプレーしているチームは、代表的なところでは浦和や広島くらいで、あまり多くはない印象です。
――タイは随分攻撃的なサッカーをするチームが多いと聞きます。
タイリーグのサッカーは「10₋10の試合をやるつもり?」というくらい最初からあまりにもオープンな展開になる(笑)。だから、試合のハイライトを作ると、「面白い!」という感想がよく聞かれるんです。
ただ、そこは裏腹で、規律や決まり事といったものがあまりない。逆に日本はそういうものがすごく多過ぎて、結果0-0になってしまうように自分には見えました。
だから結局日本では、枠からはみ出ちゃいけないっていうサッカーが多いのだと思うんです。基本となる軸から“広げていく”という発想があまりない。それはいまの育成年代のサッカーにも言えているだろうし。帰ってきて日本のいろんなカテゴリーの試合を見て感じたことですね。
――そういった日本の現状を変えたいという想いもあるのでは?
ただ、そのためにも勝たなければいけない。負けたら変えることはできませんから。それにどういうふうに挑むかを考えなければいけません。