もし予約のミスもなく、チェンマイにベンのデビュー戦を見に行っていたら……。富山のクラブ幹部と話す機会はなかったのかもしれない。運命なのであれば、タイに行っていても富山との関係は「あるかもしれない」が、果たしてどうなっていただろう？
 
　Jリーグクラブ（カターレ富山）のタイミングも年末に掛かる日のない時期、難しかったかもしれない。人生とは、Aという道とBという道をどう選ぶかで変わってくるのであろう。
 
　だから、強い「縁」を感じる。「縁」があってこの富山に乗り込む。そしてその日が来たのである。
 
　この北陸新幹線が開通したおかげで、東京－富山間が近くなったタイミングでもあり、これも「縁」であり「運」でもある。
 
　クラブとの交渉を終えた翌日、僕はひとりでこの北陸新幹線に乗り、富山に向かった。もちろん「やる！」ことは決めていたが、より強い氣持ちを持ちたかったからだ。
 
　代理人に「まだ発表もされてもいないし、サインは先ですから目立たないようにお願いしますね」と言われ、石川県の友人に頼み、施設と富山市の立地、雰囲気を味わいに向かった。
 
　もちろん実際に目にし、肌で感じ、耳で聞き、心で掴んだものは、東京のホテルでクラブの方々と話した時以上の、大きなモチベーションとなった。
 
　スポーツの世界では99パーセントの「努力」と１パーセントの「運」が必要という。これから僕にどんなことが起き、どんな試練が待っているのかは分からない。それは誰も分からないだろう。
 
　ただこの「縁」と「運」（運命）を大事に、大きな心で闘っていきたい。
 
　今日、オリンピック予選の北朝鮮戦、そしてJリーグのスケジュールが出る。今シーズンのカターレ富山も氣にしてほしい。そして機会があれば富山まで、カターレ富山のサッカーと街の素晴らしさを見に来てもらいたい。
 
　新しいトライに運命を感じながら、しっかり努力し、１パーセントの運を引き出せればと思う。
 
2016年１月13日
三浦泰年