なぜ、競輪選手を目ざすことに?
――それがなぜ、競輪選手を目ざすことに? お兄さんの影響だと聞きましたが。
「そうなんです。コロナ禍で思うように練習ができず、たまたま富山に戻っていた時に、兄(志田龍星・119期)のデビュー戦があって、みんなで応援に行ったんです。そこで初めて見た競輪が衝撃的で、心を奪われました。“これしかない”と思いました」
――競輪の何が凄かったですか?
「お客さんの声援とかレースの迫力とか。この舞台に立ってみたいと思いました」
――夢だったプロサッカー選手に後ろ髪を引かれるようなことはなかったですか?
「兄が、すごくカッコいいスポーツカーに乗って実家に帰ってくるので(笑)。やっぱり競輪選手は夢がある、自分もなりたいと、強く思うようになりました」
――お兄さんからのアドバイスは?
「自分がなりたいと思うなら頑張れという感じで、後押ししてくれました。岐阜の支部にいる兄が富山の選手に連絡を入れてくれたので、一緒に練習できるようになり、2度目の技能試験で無事に合格することができました」
――サッカーとは違う競輪の魅力を、どのあたりに感じますか?
「タイムという明確な結果が出るところ、努力の成果がすべて自分に返ってくるところが面白いと思います。最初は自転車から降りられないくらい練習がきつくて、サッカーでもこんな厳しい練習はしたことがないって感じでしたけど、タイムが出るとやっぱり嬉しい。脚力がついて、スピード感が増し、タイムが上がる。そこを味わえるのが楽しい。結局、自分との戦いというか、自分をどこまで追い込めるかの勝負なので。最初の頃はただただきついだけでしたが、最近は楽しさが分かるようになってきました」
――入所から約1か月、養成所での生活はどうですか?
「これまで携帯電話ありきの生活を送ってきたので、使用に制限があるのは厳しいです。だけど、それくらいですかね。4人部屋での生活も年齢が近いので楽しいですし、食事もすごく美味しい。自転車をやり始めて、体重が5キロ増えました」
――髪型もお洒落です。丸刈りの人もいましたけど、自由なんですか?
「耳に掛からない程度で、染髪せず、清潔感があればいいみたいです。養成所に理髪室があって、そこで友だちに切ってもらっています。丸刈りの人は、誰かが丸めたのを見て俺もやるって感じのノリじゃないですかね。僕は、ああいうのは絶対に嫌です(笑)」
――授業を拝見しましたが、教官も優しく教えてくれる感じなんですね。
「...人によると思います。僕も入所するまでは恐い教官ばかりだと思っていましたが、優しく、丁寧に教えてくださる教官もいます。もちろん厳しい世界なので、熱意と愛情のある厳しい指導も、自分のためだと受け入れています」
――今後、どんな選手になりたいですか?
「目標は兄に並んで、超えることです。兄は養成所ではゴールデンキャップ(スピード、持久力が特に優れている候補生が被る金色の帽子)を取っているし、今はすごく稼いでいる。僕も、卒業後、すぐにS級に上がれるような選手になりたいです」
――最後に、サッカーから競輪の道に進んだ先輩として、今、サッカーに夢中になっている後輩たちに伝えたいことはありますか?
「サッカーでプロまで辿り着ける人は本当に一握りで、プロ選手でいられる期間もあまり長くない。20代で引退しちゃう選手もいるじゃないですか。でも、競輪選手は60歳でも最前線で戦っているような選手がいて、賞金も毎年上がっている。そこは大きな魅力だと思います。クラブがあって、監督がいて、選手全員で戦うチームスポーツのサッカーは、自分の頑張りだけじゃどうにもならないこと、叶わないことがあると思うんです。だけど競輪は、自分が頑張れば結果が出る。賞金も稼げる。自分の努力次第で地位も年収もどんどん上げていけるから、本当に夢のあるスポーツだと思います」
取材・文 粕川哲男
「そうなんです。コロナ禍で思うように練習ができず、たまたま富山に戻っていた時に、兄(志田龍星・119期)のデビュー戦があって、みんなで応援に行ったんです。そこで初めて見た競輪が衝撃的で、心を奪われました。“これしかない”と思いました」
――競輪の何が凄かったですか?
「お客さんの声援とかレースの迫力とか。この舞台に立ってみたいと思いました」
――夢だったプロサッカー選手に後ろ髪を引かれるようなことはなかったですか?
「兄が、すごくカッコいいスポーツカーに乗って実家に帰ってくるので(笑)。やっぱり競輪選手は夢がある、自分もなりたいと、強く思うようになりました」
――お兄さんからのアドバイスは?
「自分がなりたいと思うなら頑張れという感じで、後押ししてくれました。岐阜の支部にいる兄が富山の選手に連絡を入れてくれたので、一緒に練習できるようになり、2度目の技能試験で無事に合格することができました」
――サッカーとは違う競輪の魅力を、どのあたりに感じますか?
「タイムという明確な結果が出るところ、努力の成果がすべて自分に返ってくるところが面白いと思います。最初は自転車から降りられないくらい練習がきつくて、サッカーでもこんな厳しい練習はしたことがないって感じでしたけど、タイムが出るとやっぱり嬉しい。脚力がついて、スピード感が増し、タイムが上がる。そこを味わえるのが楽しい。結局、自分との戦いというか、自分をどこまで追い込めるかの勝負なので。最初の頃はただただきついだけでしたが、最近は楽しさが分かるようになってきました」
――入所から約1か月、養成所での生活はどうですか?
「これまで携帯電話ありきの生活を送ってきたので、使用に制限があるのは厳しいです。だけど、それくらいですかね。4人部屋での生活も年齢が近いので楽しいですし、食事もすごく美味しい。自転車をやり始めて、体重が5キロ増えました」
――髪型もお洒落です。丸刈りの人もいましたけど、自由なんですか?
「耳に掛からない程度で、染髪せず、清潔感があればいいみたいです。養成所に理髪室があって、そこで友だちに切ってもらっています。丸刈りの人は、誰かが丸めたのを見て俺もやるって感じのノリじゃないですかね。僕は、ああいうのは絶対に嫌です(笑)」
――授業を拝見しましたが、教官も優しく教えてくれる感じなんですね。
「...人によると思います。僕も入所するまでは恐い教官ばかりだと思っていましたが、優しく、丁寧に教えてくださる教官もいます。もちろん厳しい世界なので、熱意と愛情のある厳しい指導も、自分のためだと受け入れています」
――今後、どんな選手になりたいですか?
「目標は兄に並んで、超えることです。兄は養成所ではゴールデンキャップ(スピード、持久力が特に優れている候補生が被る金色の帽子)を取っているし、今はすごく稼いでいる。僕も、卒業後、すぐにS級に上がれるような選手になりたいです」
――最後に、サッカーから競輪の道に進んだ先輩として、今、サッカーに夢中になっている後輩たちに伝えたいことはありますか?
「サッカーでプロまで辿り着ける人は本当に一握りで、プロ選手でいられる期間もあまり長くない。20代で引退しちゃう選手もいるじゃないですか。でも、競輪選手は60歳でも最前線で戦っているような選手がいて、賞金も毎年上がっている。そこは大きな魅力だと思います。クラブがあって、監督がいて、選手全員で戦うチームスポーツのサッカーは、自分の頑張りだけじゃどうにもならないこと、叶わないことがあると思うんです。だけど競輪は、自分が頑張れば結果が出る。賞金も稼げる。自分の努力次第で地位も年収もどんどん上げていけるから、本当に夢のあるスポーツだと思います」
取材・文 粕川哲男
男子127回生/女子128回生 競輪選手候補生募集中!
応募はWEBにて。2023年8月21日(月)17:00応募締切
https://keirin-jik.jp/application.html