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長谷川唯のサイドチェンジに見えた、なでしこジャパンの確かな進化。オープンスペースを清水梨紗は見逃さなかった

カテゴリ:女子サッカー

河治良幸

2023年07月15日

ピッチを広く使い、ゴールを狙う

明確な指針を示し、チーム作りを進めてきた池田監督。スモールのコンビネーションに頼っていた体質に変化をもたらした。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本も全体がボールサイドにスライドしており、それに応じて1トップの田中と右シャドーの藤野も左寄りだった。その二人はちょうどパナマの2ボランチからブラインドになる位置にいたこともあり、左ウイングバックのハエンは左ボランチのゴンサレスとの距離を詰めて、藤野をチェックできるポジションを取る必要があったのだ。

 そうして生じたオープンスペースを清水は見逃さなかった。

 いわゆる3人目の動きで、左外の宮澤にボールが出る時には清水が走り出しており、長谷川も迷いなくサイドチェンジパスを出している。やはり同年代で、同じ日テレ・メニーナ(現在の日テレ・東京ヴェルディメニーナ)で育った二人だけに、お互いの考えていることが分かるという“阿吽の呼吸”が、離れた距離でも発揮できることが証明されたシーンだった。

 そうした要素があるにせよ、ここで注目したいのは、現在のなでしこジャパンが守備はコンパクトをベースにしながら、攻撃面ではピッチを広く使った展開からもゴールを狙えるチームになっているということだ。
 
 女子サッカーも男子サッカーとピッチの広さは同じで、縦も横も変わらない。しかし、基本的な走力の違いによりオープンスペースが生じやすく、カバーのタイムラグもある。従来のなでしこジャパンはそれをあまり活用できていなかった。

 池田太監督は就任当初から“ボールを奪う、ゴールを奪う”という明確なコンセプトを掲げて、ゴールに矢印を向けて縦に速く攻めるスタイルを植え付けてきたが、同時に“エックスボール”と呼ばれる斜めのパスや、この得点シーンに見られるようなサイドチェンジも活用することで、良くも悪くもスモールのコンビネーションに頼っていた体質に変化をもたらしている。

 高い位置でボールを奪い、そのままショートカウンターで攻め切るのが理想ではあるが、先制点のシーンの流れに見られるように、日本がサイドを抉られてピンチを迎えた場合、そこをしのげば反対サイドを起点にチャンスが生まれやすくなる。

 それは相手がW杯のグループステージで対戦するザンビア、コスタリカ、スペインでも同じだ。今回は日本と同じ3バック、時に5バックになるパナマを相手にそれが出せたことは、本番でも再現されるかもしれない。

取材・文●河治良幸

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