サッカーはボールを大事にして如何に華麗に美しく、かつ厳しく、激しく、走り切るかだ。美しさを消して走って勝てるレベルでは残念でならない。
 
　そしてサッカーの魅力を削って勝利のみを手にする手法が数多く存在するのが日本だ。
 
　日本サッカー界の発展、育成年代（オリンピック、ユース、ジュニアユース）の改革やグローバル化を視野に入れるのであれば、目指すべきサッカーはひとつ「完璧」。良いサッカーだろう。そして、良いサッカーとは「すべてに勝る」こと。
 
　そうなると相手より走る、相手よりメンタルが強いのは当たり前。“下手だから走る”という意味もそこには含まれている。
 
　ただ“下手だから走る”にはテクニカルもエレガントも含まれていない。もちろん、技術があっても足先のプレーで走れない、戦えない、メンタルが弱いではダメ。そして、それを生まれつきの身体能力の差で解決する考え方も許されない。となると、語弊があるかもしれないが、“下手だから…する”が付くサッカーは良いサッカーではない。下手だったら上手くさせるのが筋だろう。
 
　お金があって選手をしっかり揃えられるチーム（クラブ）に勝利するのは難しい。理想を捨て、現実的にやって10回に１回の確率に賭けて笑う。これは本当に未来につながるのだろうか？
 
　サッカーには答えはないという。この議論に善否をつけるのは野暮なのかもしれない。ただ攻撃的な良いサッカーを見たい。そして良いサッカーの定義には、「勝利」も入る。もっともっと、信念を持って良いサッカーを目指すべきだ。
 
　2016年がスタート。“信念”明けましておめでとうございます、だ……（笑）。
 
2016年元旦
三浦泰年