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エスパルス退団から半年...グラスホッパーの原輝綺は探していた「何か」を見つけたかもしれない【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2023年06月21日

もっと身体を寄せきらないと…

 その後、30節から3試合連続フル出場、2試合途中出場、1試合出場機会なし。そして最終節だった36節のバーゼル戦でフル出場を果たした。

 バーゼル戦でのパフォーマンスは上々。前半はチーム全体がコンパクトに守備が機能していて、原のサイドも崩されるシーンがなかった。的確なアプローチで相手選手を抑え、攻撃でもミスなくプレーできていた。

「まずは守備しつつ、タイミングよく上がってクロスをあげる。それをやり切れる選手なので、そこはうまく出せたかなと思います。周りとの連携は左に移ってからも良かったかな。前半だけで言えば70~80点ぐらい。後半に関しては点を取らなくちゃいけない状況になり、自分のサイドの方も(位置を)高く取って、より攻撃的にプレーしていました」

 後半早々に失点したグラスホッパーはシステムを3-4-3から中盤ひし形の4-4-2に変更。勝てば5位でヨーロッパカンファレンスリーグ出場のチャンスがあるだけに、多少無理をしても攻撃的に出なければならない。

 指揮官のそんな心理は理解できた。ただ、これで攻守のバランスは崩壊し、グラスホッパーは不用意な形でボール失ってはカウンターから何度も危険な場面を作られてしまう。これではうまくボールを奪うこともできない。
 
 原が「ただ」と言って、少しじっと考えて振り返ったのはチーム3失点目のシーンだ。

 カウンターから左サイドを崩されると、強烈なシュートのこぼれ球が原のサイドにこぼれてくる。そして走り込んできた相手FWが豪快に蹴り込んでゴールが生まれた。チーム全体が後手に回っていたため、ひとりではどうすることもできない状況だった。だが、もっとできたことがあるのではないかと原は考えていた。

「キーパーが弾いたところ、あそこでも(相手に)身体を寄せきれるようにならないといけない。正直、逆で崩されて最後っていうところできつかったですけど、それでも身体に当てられるぐらいの選手にならないと。攻撃的になっていたとはいえ、ああいう局面はすごく大事」

 探していた《何か》は見つかったのではないだろうか。おぼろげかもしれないが、選手としてこれからの成長に向けてのきっかけを掴んだのではないだろうか。スイスでの最初の半年間は、原にとって新しい視座を手にする大事な時間となったはずだ。

取材・文●中野吉之伴

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