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10人相手にボールを回されたエルサルバドル戦のシステム。数的優位でなければ、もっと深刻な問題になったかもしれない

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2023年06月16日

攻撃の狙いは面白くても、攻守のバランスが…

守備時には堂安を上げて4-4-2のシステムに変更した。(C)SOCCER DIGEST

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 一方で、相手がゴール前を固めて、上田らがクロスに合わせるのが困難になると、今度は手前、ペナルティアーク付近のスペースが空いてくる。左サイドの三笘と旗手は右利き、右サイドの久保と堂安は左利きだ。逆足サイドに配置された彼ら4人が、中へ侵入しながらシュートを打つ。ゴール前で誰がどのスペースからフィニッシュに行くのか、狙いが見える配置であり、機能性があった。

 ただし、このシステムが攻撃だけでなく、攻守に渡って耐え得るのかどうか、この試合では保証できない。守備時は4-1-4-1から堂安を上げ、4-4-2に形を変えたが、プレッシングがはまらず、10人の相手にボールを回される場面が目についた。

 4-4-2で相手にボールを回されると、両サイドの三笘と久保、少なくとも一方の立ち位置が低くなりがちに。これまで伊東純也が右サイドに入った時は、伊東が走力を生かして最終ラインのカバーまでを広範囲に行ない、そこから長駆で飛び出す左高右低のアシンメトリックなバランスを保っていた。しかし、三笘と久保ではそうもいかない。この2人はどちらも高い位置に残したい選手だ。
 
 後半は守備型が少し変わり、4-3-3で高い位置からプレスをかけるようになった。相手CBへの寄せはインサイドハーフの堂安ではなく、久保や三笘(後半開始から中村敬斗)が高い位置を取って行なうようになった。両ウイングがショートカウンターで機能しやすい守備型であり、日本は後半からプレスの勢いを増した。

 ただ、この4-3-3は中盤3人がバランスを取るのが難しい。特に堂安は人に、相手ボランチに釣られる傾向が強く、久保と上田の間をのぞくパスコースを遮断できず、ビルドアップの起点を作られた。この点も相手が10人でなければ、もっと深刻な問題になったかもしれないが。

 様々なトライはした。しかし、攻撃の狙いは面白くても、攻守としてバランスが成立しなければ、11人の強敵には勝てない。20日、より難しいペルーとの対戦はどのように臨むのだろうか。

取材・文●清水英斗(サッカーライター)

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