古橋と上田。“持っていた”のは前者だ
[キリンチャレンジカップ]日本 6-0 エルサルバドル/6月15日/豊田スタジアム
日本代表はキリンチャレンジカップでエルサルバドル代表と対戦し、6-0で勝利した。圧巻のゴールラッシュで第二次森保ジャパンが初勝利を飾った一戦を、現役時代は鹿島アントラーズや日本代表で活躍した本田泰人氏はどう評価したか。
出場17選手と監督の採点&総評は以下のとおりだ。
GK
大迫敬介 6
DF
菅原由勢 6
(HT→相馬勇紀 6)
谷口彰悟 6
板倉 滉 6
森下龍矢 6
MF
守田英正 6
(76分→伊藤敦樹 ―)
三笘 薫 6
(HT→中村敬斗 6)
堂安 律 7
(65分→川辺 駿 5.5)
旗手怜央 7
久保建英 7
(65分→浅野拓磨 5.5)
FW
上田綺世 5.5
(65分→古橋亨梧 6.5)
監督
森保 一 6
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
――◆――◆――
日本代表はキリンチャレンジカップでエルサルバドル代表と対戦し、6-0で勝利した。圧巻のゴールラッシュで第二次森保ジャパンが初勝利を飾った一戦を、現役時代は鹿島アントラーズや日本代表で活躍した本田泰人氏はどう評価したか。
出場17選手と監督の採点&総評は以下のとおりだ。
GK
大迫敬介 6
DF
菅原由勢 6
(HT→相馬勇紀 6)
谷口彰悟 6
板倉 滉 6
森下龍矢 6
MF
守田英正 6
(76分→伊藤敦樹 ―)
三笘 薫 6
(HT→中村敬斗 6)
堂安 律 7
(65分→川辺 駿 5.5)
旗手怜央 7
久保建英 7
(65分→浅野拓磨 5.5)
FW
上田綺世 5.5
(65分→古橋亨梧 6.5)
監督
森保 一 6
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
――◆――◆――
この日、アピールに成功した選手は誰? と聞かれたら、真っ先に旗手の名前を挙げたい。
全体のバランスを見ながら攻守に絡んでいたよね。「え、そんなとこにもいるの?」というほど、まさに神出鬼没にいろんなところに顔を出していた。
日本のシステムは4-1-4-1でスタートしたけど、状況に応じて4-2-3-1へ変えていた。その変化がチームとしてスムーズにできていたのは旗手のおかげだ。
彼の良さは臨機応変なプレースタイルにある。ボランチはもちろん、インサイドやサイドバックもできる。僕は昨年のワールドカップメンバー予想に彼を“選んでいた派”なんだけど、今日のプレーは、MVP級のパフォーマンスを見せていた。
「なんでワールドカップに呼ばなかったのか?」と改めて感じたし、今後も重要な選手になってくるだろうね。
その他に選手を挙げるとしたら、なんだかんだ言って、既存のレギュラー組になる。特に、久保や堂安はこの日みたいにコンディションが良ければ、格の違いを感じさせる存在だね。
2017年のU-20ワールドカップの時から日の丸をつけて一緒にプレーしていて、お互いに知り尽くしているから、ディフェンスだった自分の立場から見ても、あの2人がボールを持ったら止めるのは難しいよね。
どうしてずっと同時起用してこなかったのかとても不思議だ。65分にこの2人がピッチを後にしてから、ボールの収まりが悪くなったし、違うチームになっていたのは彼らの存在の大きさを証明しているよね。
復帰組の古橋もさすがのパフォーマンスだったね。FWとして動き出しのタイミングも質も良いし、ゴールシーンを見てもワンチャンスをモノにする勝負強さがある。やっぱり“持っているな”と思わせる選手だよ。
初出場組の森下をはじめ、他の選手は僕から見たらアピール不足だ。本来、森下の持ち味は上下運動の激しさだけど、もっと相手が強いチームのほうが彼の良さが活きるのかもしれないね。
後半出場組に関して言えば、悪くもなかったけど、良くもなかった。中村もゴールを奪ったけど、後半は10人でヘトヘトのチームなんだから、もっとアピールしてほしかったね。
この日、一番アピールしてほしかったのは上田だ。最初から積極性を見せて、自ら奪ったPKで代表初ゴールを決めた。でも、彼の能力を考えたらもっとできるし、「PKの1点」では物足りない。その期待感を込めて、最低評価の「5.5」をつけさせてもらった。
ワンチャンスをしっかりモノにしてアピールに成功した古橋に対して、アピールチャンスがたくさんあったにもかかわらず、PKの1点に終わった上田。この日、どちらが“持っていた”かは、間違いなく前者だったね。
これから上田がエースとして成長するには、こうした試合でもっと活躍しないといけないよ。
【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
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彼の良さは臨機応変なプレースタイルにある。ボランチはもちろん、インサイドやサイドバックもできる。僕は昨年のワールドカップメンバー予想に彼を“選んでいた派”なんだけど、今日のプレーは、MVP級のパフォーマンスを見せていた。
「なんでワールドカップに呼ばなかったのか?」と改めて感じたし、今後も重要な選手になってくるだろうね。
その他に選手を挙げるとしたら、なんだかんだ言って、既存のレギュラー組になる。特に、久保や堂安はこの日みたいにコンディションが良ければ、格の違いを感じさせる存在だね。
2017年のU-20ワールドカップの時から日の丸をつけて一緒にプレーしていて、お互いに知り尽くしているから、ディフェンスだった自分の立場から見ても、あの2人がボールを持ったら止めるのは難しいよね。
どうしてずっと同時起用してこなかったのかとても不思議だ。65分にこの2人がピッチを後にしてから、ボールの収まりが悪くなったし、違うチームになっていたのは彼らの存在の大きさを証明しているよね。
復帰組の古橋もさすがのパフォーマンスだったね。FWとして動き出しのタイミングも質も良いし、ゴールシーンを見てもワンチャンスをモノにする勝負強さがある。やっぱり“持っているな”と思わせる選手だよ。
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後半出場組に関して言えば、悪くもなかったけど、良くもなかった。中村もゴールを奪ったけど、後半は10人でヘトヘトのチームなんだから、もっとアピールしてほしかったね。
この日、一番アピールしてほしかったのは上田だ。最初から積極性を見せて、自ら奪ったPKで代表初ゴールを決めた。でも、彼の能力を考えたらもっとできるし、「PKの1点」では物足りない。その期待感を込めて、最低評価の「5.5」をつけさせてもらった。
ワンチャンスをしっかりモノにしてアピールに成功した古橋に対して、アピールチャンスがたくさんあったにもかかわらず、PKの1点に終わった上田。この日、どちらが“持っていた”かは、間違いなく前者だったね。
これから上田がエースとして成長するには、こうした試合でもっと活躍しないといけないよ。
【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
「もっと取れただろ」1G2Aの久保建英にダメ出しをした代表選手は?
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