「南の10番の伝統に恥じないプレーをしないといけない」
そして準々決勝の埼玉平成戦(3-0)でも、CKを得ると「ゴール前に密集していたので、その密集に対して相手ゴールキーパーに向かっていく形の強いボールを蹴りました」と、狙い通りにゴール前の混戦にボールを送り込み、GKにパンチングされたが、遠くに弾けない状況にした。
そのこぼれ球を味方が蹴り込んで先制点をもたらすと、今度はゴールからかなり遠い位置のFKから、「ファーポストを目掛けて、ゴールに向かっていくボールを蹴れば、直接入るか、味方が合わせてくれると思った」と、正確なロングキックを放ってCB齋藤旺徳のヘッドによる追加点を生み出した。
「軸足の位置をどこに置くかをいつも考えながら蹴っています。ゴールまでの距離や角度、どこに蹴るかを含めて、それに適した、ボールを蹴りやすい軸足の置き方を毎回考えながらやっています」
どの場所からでもキックフォームが綺麗で、強弱と高さ調整もお手の物。見事なキックで伊田はまさに超高性能なゴール製造機となっている。
チームはいよいよ2018年度以来、4大会ぶりのインターハイ出場に王手をかけた。浦和南といえば、これまで選手権優勝3回、インターハイ優勝1回を誇る名門校で、1970年に大ヒットをした人気サッカー漫画の『赤き血のイレブン』のモデルとして有名な高校だ。
そのこぼれ球を味方が蹴り込んで先制点をもたらすと、今度はゴールからかなり遠い位置のFKから、「ファーポストを目掛けて、ゴールに向かっていくボールを蹴れば、直接入るか、味方が合わせてくれると思った」と、正確なロングキックを放ってCB齋藤旺徳のヘッドによる追加点を生み出した。
「軸足の位置をどこに置くかをいつも考えながら蹴っています。ゴールまでの距離や角度、どこに蹴るかを含めて、それに適した、ボールを蹴りやすい軸足の置き方を毎回考えながらやっています」
どの場所からでもキックフォームが綺麗で、強弱と高さ調整もお手の物。見事なキックで伊田はまさに超高性能なゴール製造機となっている。
チームはいよいよ2018年度以来、4大会ぶりのインターハイ出場に王手をかけた。浦和南といえば、これまで選手権優勝3回、インターハイ優勝1回を誇る名門校で、1970年に大ヒットをした人気サッカー漫画の『赤き血のイレブン』のモデルとして有名な高校だ。
近年は私立勢の台頭の陰に隠れる存在となったが、浦和南OBであり、浦和東を全国屈指の強豪校に仕立てた野崎正治監督が就任して以降、再び埼玉県の覇権争いに食い込むように。2018年度には9大会ぶりとなるインターハイ出場だけではなく、実に17年ぶりとなる選手権出場も果たした。
赤地に、左胸には白い南の漢字が刻まれた伝統のユニホーム。「シンプルでかっこいい」と伊田が語るユニホームには、多くの歴史が刻まれている。
「正直、浦和南の伝統は入ってから知りました。『赤き血のイレブン』は小さい頃から良く観に行っていた浦和レッズのチャントで歌われていることは知っていましたが、まさか浦和南がモデルの漫画が起源だということも知りませんでした」
最初はただなんとなく着ていたが、そのユニホームを着てプレーすればするほど、重みや責任を感じていった。
「多くのOBの人たちがグラウンドに来てくれたり、Bチームや1年生チームの試合にも足を運んでくれたりと、自分たちのことのように応援してくれるので力になっています。南の10番の伝統に恥じないプレーをしないといけないと思っています」
この想いが伊田の右足をより磨き上げていった。そして、最終学年を迎えた今回のインターハイ予選において、『一球入魂』のキックでチームを快進撃に導いている。
決勝の相手は、こちらも伝統校である名門・武南。埼玉だけではなく、全国の高校サッカーを引っ張ってきた公立の雄と私立の雄の決戦に向けて、赤き血のイレブンの1人である伊田はその右足をさらに研ぎ澄ましている。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【画像】帝京、国見、鹿実、市船… 強豪校別 歴代ベストイレブン!
赤地に、左胸には白い南の漢字が刻まれた伝統のユニホーム。「シンプルでかっこいい」と伊田が語るユニホームには、多くの歴史が刻まれている。
「正直、浦和南の伝統は入ってから知りました。『赤き血のイレブン』は小さい頃から良く観に行っていた浦和レッズのチャントで歌われていることは知っていましたが、まさか浦和南がモデルの漫画が起源だということも知りませんでした」
最初はただなんとなく着ていたが、そのユニホームを着てプレーすればするほど、重みや責任を感じていった。
「多くのOBの人たちがグラウンドに来てくれたり、Bチームや1年生チームの試合にも足を運んでくれたりと、自分たちのことのように応援してくれるので力になっています。南の10番の伝統に恥じないプレーをしないといけないと思っています」
この想いが伊田の右足をより磨き上げていった。そして、最終学年を迎えた今回のインターハイ予選において、『一球入魂』のキックでチームを快進撃に導いている。
決勝の相手は、こちらも伝統校である名門・武南。埼玉だけではなく、全国の高校サッカーを引っ張ってきた公立の雄と私立の雄の決戦に向けて、赤き血のイレブンの1人である伊田はその右足をさらに研ぎ澄ましている。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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