プレミア参入戦での激戦でコンディションに不安も、新星の台頭は十分にあり得る。
まさに充実の陣容が揃った今年の大津だが、12月中旬に行なわれたプレミアリーグ昇格決定戦の静岡学園戦は、それを証明する戦いだった。選手権予選で敗れたとはいえ、今年の静岡学園もハイクオリティなサッカーを展開する注目校に挙げられ、この一戦は高校サッカー史に残っても良いような激戦となった。
静岡学園の個人技と組織を上手く融合させたサッカーに対し、大津はピンチを迎えながらも要所で身体を張り、タイミングのいいミドルパス、ロングパスを起点に反撃に転じ、何度も決定機を作り出した。
お互いが持ち味を出し合い、激しい攻防となった一戦は、2-2で迎えた延長後半アディショナルタイムに、左CKからファーサイドに飛び込んだ原岡が押し込んで、大津が劇的勝利。来季のプレミアリーグ昇格を決めた。
ただ、この熱戦の代償もあった。怪我を抱えた選手が増え、選手権にベストコンディションで臨めるか懸念される選手も新たに出てきている。だが、大津の強さは『脇役が主役になる』こと。原岡、前田、藤山らがその代表例だ。野田、一美、そして河原、吉武は1年時から注目の存在で、今年は彼ら4人が軸になるのは2年前から分かっていた。そして、そうした主軸に追いつけ追い越せと切磋琢磨してきた選手たちが成長を遂げ、質の高い陣容が整った。
独創的かつ個性的なタレントを平岡監督は愛情込めて『変態』と称する。平岡監督は自らの育成方針として「多くの『変態』を育てたい」と語る。ハイレベルな人材が激しい競争をしている大津だからこそ、次々と面白い『変態』が現われるのだろう。
それだけに、コンディション面が懸念される現状ながら、新たなタレントの台頭が十分に予感されるのだ。それが一体、誰なのか? 選手権はそれを楽しむ場になるかもしれない。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
静岡学園の個人技と組織を上手く融合させたサッカーに対し、大津はピンチを迎えながらも要所で身体を張り、タイミングのいいミドルパス、ロングパスを起点に反撃に転じ、何度も決定機を作り出した。
お互いが持ち味を出し合い、激しい攻防となった一戦は、2-2で迎えた延長後半アディショナルタイムに、左CKからファーサイドに飛び込んだ原岡が押し込んで、大津が劇的勝利。来季のプレミアリーグ昇格を決めた。
ただ、この熱戦の代償もあった。怪我を抱えた選手が増え、選手権にベストコンディションで臨めるか懸念される選手も新たに出てきている。だが、大津の強さは『脇役が主役になる』こと。原岡、前田、藤山らがその代表例だ。野田、一美、そして河原、吉武は1年時から注目の存在で、今年は彼ら4人が軸になるのは2年前から分かっていた。そして、そうした主軸に追いつけ追い越せと切磋琢磨してきた選手たちが成長を遂げ、質の高い陣容が整った。
独創的かつ個性的なタレントを平岡監督は愛情込めて『変態』と称する。平岡監督は自らの育成方針として「多くの『変態』を育てたい」と語る。ハイレベルな人材が激しい競争をしている大津だからこそ、次々と面白い『変態』が現われるのだろう。
それだけに、コンディション面が懸念される現状ながら、新たなタレントの台頭が十分に予感されるのだ。それが一体、誰なのか? 選手権はそれを楽しむ場になるかもしれない。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)