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トップ下起用で名古屋内定MF倍井謙の意識変化に拍車。効果的なドリブルの使い分けで新たな付加価値を生み出す

カテゴリ:大学

安藤隆人

2023年05月29日

「今年、どれだけインパクトを残せるかが勝負」

 4年生になった今年、ある転機が訪れた。関西学院大において倍井は4-2-3-1のトップ下を任された。それまではチームと大学選抜でサイドハーフが主戦場だったが、真ん中にポジションを移したことで、意識の変化に拍車がかかった。

 中央からの仕掛けにプラスして、ボランチのサポートや落ちながらボールを受けるシーンが増え、ワントップや両サイドに対してドリブルで運んでから攻撃のスイッチを入れるパスを出したり、プレスバックからの展開で前を向いてビルドアップに関わったりと、試合を重ねるごとに攻守を繋ぐ仲介役として、自分の武器を発揮するという手応えを掴んでいった。

 5月27日に行なわれた関西学生リーグ1部の京都産業大戦。首位を走る関西学院大にとって、2位につける京産大との重要な首位決戦で、トップ下に入った倍井は運ぶドリブルと突破のドリブルを巧みに使い分けて、攻守の橋渡し役とラインブレイクの役割をきっちりとこなした。

 特に目を引いたのが、落ちてからボールを引き出して前を向く動きの質の高さだ。ボランチやディフェンスラインからのパスを受ける時に、鋭い身のこなしで180度のターンをして前を向いたと思えば、一度膨らんで角度をつけてから落ちて、そのままボールを巻き取るようにして斜め前のドリブルに入っていく。

 壁にあたりながらも考え、課題意識と創造力を組み合わせて導いたプレーは、倍井にとって新たな付加価値を生み出すものであった。
 
「最近のグランパスの試合を見ていると、守備に比重を置いて、攻撃は前の3枚(キャスパー・ユンカー、永井謙佑、マテウス・カストロ)で完結することもある。そのなかで後ろと前の仲介役としてこそ、自分の持ち味を発揮できるのではないかと思っています。

 ボランチラインまで落ちて、ボールを受けて前を向いてドリブルで運んだり、ボランチと関わりながら前にボールを運んだりと、自分の前への推進力を大学でもっと磨いて、プロの世界でも武器の1つとして発揮することこそが、自分の目標達成に向けての道筋になると思っています」

 もちろん突破のドリブルに対する思いを捨てたわけではない。

「多彩なアプローチをして、そのうえでラインブレイクの時に一気に自分の力を解放できるような選手になりたいと思います。僕の中で今年、どれだけインパクトを残せるかが勝負だと思っています」

 名古屋で即戦力としてチームに貢献し、パリ五輪という1つの目標を達成するために。倍井はなるべき自分を明確に捉えて、日々前進を続けている。豊田スタジアムで主役となる自分を思い描きながら。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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