本田の苦難に満ちた今シーズン前半戦をイタリア地元紙の各試合評価で振り返る

カテゴリ:海外日本人

サッカーダイジェストWeb編集部

2015年12月23日

年内最終戦で得た手応えを足掛かりに、年明けの飛躍はなるか。

フロジノーネ戦で周囲に与えた好印象が、2016年の本田にどのような影響をおよぼすのか。ミラン残留は確実なのか。 (C) Getty Images

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◎コッパ・イタリア
◇3回戦・ペルージャ戦(○2-0)
スタメン(70分間プレー)・1ゴール1アシスト
採点7.5「昨シーズンは公式戦初ゴールを7分で記録したが、今回は3分余分にかかった。続いて2点目をアシスト。最初の31分間で5本のシュートを放った」
 
◇4回戦・クロトーネ戦(○3-1)
フル出場
採点4.5「スピードがなく、パッとしないプレーに終始。存在感がなかった」
 
◇5回戦・サンプドリア戦(○2-0)
途中出場(19分間プレー)・1アシスト
採点6「よく動いてはいたものの、それに見合うだけの収穫は得られなかった。また積極的に相手に仕掛けたが、ここでもインパクトを与えることはできなかった」
 
――◇――◇――
 
 本田にとってはミランでの3シーズン目を迎えたが、前半戦の歩みは苦しみに満ち溢れたものだった。
 
 リーグ開幕直前のコッパ・イタリア(3回戦のペルージャ戦)で1ゴール1アシストを記録してメディアから最高殊勲者に選出されたことにより、昨シーズン序盤のような活躍が期待されたものの、開幕戦ではCB退場の割を食って前半途中でピッチを去るという、出端を挫かれる格好となった。
 
 そこからチームの調子と並行して下降の一途を辿り、本来のポジションであるトップ下を任されながらも、ゴールやアシストを決めるどころか、相手の厳しいマークの前にボールコントロールもままならず、シュートは大きく枠を外れ、攻撃のリズムを狂わせる存在としてファンやメディアから酷評される辛い日々を送った。
 
 ついには6節でついにスタメンの座を失い、そこからは終了間際に少しだけピッチに顔を出すだけ。その時間すらも与えられない試合もあり、7節ナポリ戦には、チーム、クラブ、ファンに対して持論をぶちまけたことで、ますます立場は悪くなり、ここから冬の移籍が取り沙汰されるようになった。
 
 チーム内の序列を下げ続けながら、ベンチで大半の時間を過ごして年末へ。そして今年最後の公式戦となるセリエA17節のフロジノーネ戦では、実に3か月ぶりにスタメンに名を連ねた。
 
 ここで1アシストを決めて勝利に貢献した他、今シーズンで最も良いプレーを見せたことにより、今、本田に対する風向きに変化が生じつつある。冬の移籍についても、その可能性は皆無であるとミランは断言している。
 
 最後の最後で光明を見出した2015年の本田。昨シーズンも、開幕前に戦力外と周囲から見なされながら、リーグ序盤戦ではチームの救世主となった彼だが、同様の這い上がりを年明けから披露するのか。あるいは、一時的な輝きとしてこれまでの定位置であるベンチに戻るのか。はたまた、この冬での移籍の強行は……。
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