ユース出身の若手逸材を積極起用すべきだ。

ファンの目をクラブの未来に向ける手段のひとつとして、若手の登用は効果的だろう。セスクをトップ下に回せるという意味においても、生え抜きの逸材であるこのロフタス=チークは、打ってつけの人材だ。 (C)Getty Images
そして新指揮官は、ファンの愛情の炎にも薪をくべる必要がある。モウリーニョのチェルシーではなく、純然たるチェルシーへの愛情だ。
3-1で快勝した12月19日のサンダーランド戦では、前監督の期待と信頼を裏切った代表格として、ジエゴ・コスタとセスク・ファブレガスがホームゲームにもかかわらずブーイングを浴びた。好ましい状態とは言い難い。
ファンの目を、前節までの過去からクラブの未来に向ける手段のひとつとして、若手の登用は効果的だろう。打ってつけの人材もいる。ユース出身の生え抜きで、攻守に渡る貢献が光る万能型MFのルベン・ロフタス=チークだ。
1月に20歳になる若者である。それゆえのミスはあるだろう。だが、若手にはファンも寛大なはず。過去15年間で唯一の生え抜きであるジョン・テリーの台頭時、DFラインから果敢に持ち上がって放ったパスが強すぎたりしても、観衆は暖かく若きCBを見守っていたのを覚えている。
ロフタス=チークの積極起用は、セスクを守備力の不足が際立つ中盤センターのポジションから解放し、その攻撃性をより発揮できるトップ下に回す機会をも提供する。
低調ながら攻撃陣ではもっともスタメン落ちが遅かったD・コスタには、新FWという発奮材料が必要だ。ヒディンクは早速、ジェイミー・ヴァーディー(レスター)やサイード・ベラヒノ(ウェストブロミ・ウィッチ・アルビオン)を候補に挙げているという。
チェルシーで暫定的に指揮を執った08-09シーズンをFAカップ優勝で終えて以来、代表でもクラブでも失敗続きの老将は、「トップの世界では終わった監督」という世間の見方を覆す意欲があるのだろう。
みずからはすでに意欲を燃やしている「火付け役」に、大きな期待がかかる。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
3-1で快勝した12月19日のサンダーランド戦では、前監督の期待と信頼を裏切った代表格として、ジエゴ・コスタとセスク・ファブレガスがホームゲームにもかかわらずブーイングを浴びた。好ましい状態とは言い難い。
ファンの目を、前節までの過去からクラブの未来に向ける手段のひとつとして、若手の登用は効果的だろう。打ってつけの人材もいる。ユース出身の生え抜きで、攻守に渡る貢献が光る万能型MFのルベン・ロフタス=チークだ。
1月に20歳になる若者である。それゆえのミスはあるだろう。だが、若手にはファンも寛大なはず。過去15年間で唯一の生え抜きであるジョン・テリーの台頭時、DFラインから果敢に持ち上がって放ったパスが強すぎたりしても、観衆は暖かく若きCBを見守っていたのを覚えている。
ロフタス=チークの積極起用は、セスクを守備力の不足が際立つ中盤センターのポジションから解放し、その攻撃性をより発揮できるトップ下に回す機会をも提供する。
低調ながら攻撃陣ではもっともスタメン落ちが遅かったD・コスタには、新FWという発奮材料が必要だ。ヒディンクは早速、ジェイミー・ヴァーディー(レスター)やサイード・ベラヒノ(ウェストブロミ・ウィッチ・アルビオン)を候補に挙げているという。
チェルシーで暫定的に指揮を執った08-09シーズンをFAカップ優勝で終えて以来、代表でもクラブでも失敗続きの老将は、「トップの世界では終わった監督」という世間の見方を覆す意欲があるのだろう。
みずからはすでに意欲を燃やしている「火付け役」に、大きな期待がかかる。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。