【クラブW杯】判断ミスを悔やむ広島の“大魔神”林。「勝てなかったことがすべて…」

カテゴリ:ワールド

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年12月17日

「僕らは勝つことでしか満足できないチームになってきている」(林)

ボールがこぼれたところをアラリオ(13番)に頭で押し込まれて痛恨の失点。林は自身のプレーを「僕のミス。なんの言い訳もない」と振り返った。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 もっとも、林を攻める者は誰ひとりとしていない。この絶対的守護神が、リーグ最少失点、ステージ優勝、2年ぶり3度目のリーグ制覇を成し遂げる原動力になったからである。セーブ率77.9パーセントはリーグトップ、PKも3本連続で止めるなど、ゴール前に立ちはだかる様はまさに“大魔神”だった。この日のリーベル戦でも、失点のシーンまではシュートやクロスを冷静に処理。43分には、カルロス・サンチェスの至近距離からのヘディングシュートを鋭い反応で防ぎ(判定はオフサイド)、チームの士気を高めている。

「リーベルにチャンスは作られましたが、卓人がよく凌いでくれていたと思います。彼は今シーズンを通してずっとチームを助けてくれていたし、今日もこれまで通りハイパフォーマンスを見せてくれました」(森保一監督)

 指揮官もそう労いの言葉を発しているが、林にとって敗戦はやはり受け入れ難いものだ。なにより、「勝つためにやっていた」のだから――。

「相手がどこであれ、僕らは勝つことでしか満足できないチームになってきている。今日に関しては、勝てなかったことがすべてだと思う」

 その言葉には、今季築いた勝者のメンタリティとJリーグ王者のプライドが滲み出ていた。この悔しさは、必ずや今後の糧になるはずだ。まずは、3位決定戦で自信みなぎる“大魔神”の姿を取り戻してもらいたい。

取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
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