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「ジーコが嘆いた『恐れ』はもう微塵もない」“王国”で生放送された日本代表戦をブラジル人記者はどう見た?「カタールW杯はまぐれではなかった」

カテゴリ:日本代表

リカルド・セティオン

2023年04月05日

W杯のコスタリカ戦を思い出させる

コロンビア戦は先制しながら、逆転負けを喫した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 ただ、メンバーを入れ替えたとはいえ、ウルグアイに勝てたのにコロンビアに負けたのは納得いかない。コロンビアは、その歴史の中でも最も悪い時期を過ごしている。カタールW杯は予選敗退で出場できず、現在では南米でも4、5番手だろう。実力からいえば簡単に勝てるはずだった。

 この結果はW杯のコスタリカ戦を思い出させる。ウルグアイとの互角の戦いで疲弊してしまったのか、それとも緊張の糸が切れてしまったのか。日本はブラジルと違う、精神的に弱くはないチームだ。原因を探りしっかり対応をしていってほしい。
 
 だが親善試合とは、こうした問題を再確認し、是正していくためにあるものだ。この試合を教訓にこれからに生かしていけばいい。

 ただコロンビア側のモチベーションも韓国戦(2―2)とは違ったかもしれない。ブラジルにとってサッカーは宗教だが、コロンビアでは生死にかかわる。それが決して比喩でないことは、かつてのワールドカップでオウンゴールをした射殺されたアンドレス・エスコバルの事件からもわかるだろう。

 1戦目に韓国に勝てなかったコロンビアは、もう絶対に負けられなかった。カタールでドイツやスペインを下した日本に勝てたことは、コロンビアにとっては大きな意味を持つ。コロンビアの新聞はこの勝利を大々的に報じ、「コロンビア復活」などのタイトルで喜んだ。つまり日本とはサッカー界にすでにそんな存在、多くのチームにとって日本を破ることは大きな成功なのだ。

 これからの日本はやはり楽しみだ。カタールW杯がまぐれではなかったことを今回の親善試合でも教えてくれた。まぎれもなく世界のトップ20には入るチームだ。

 同時にこれからの日本代表はある問題に悩まされるだろう。多くの強豪と同様「勝利したら大喜び」ではなく「勝利して当たり前」になる。勝てなければサポーターもメディアも世界も満足しなくなり、そのプレッシャーはより大きなものになっていくだろう。

文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
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