• トップ
  • ニュース一覧
  • プロを目ざし、中2でGKからフィールドプレーヤーに転向。東海大福岡FW大森裕介の苦悩と勇気ある決断

プロを目ざし、中2でGKからフィールドプレーヤーに転向。東海大福岡FW大森裕介の苦悩と勇気ある決断

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年03月26日

スマホで動画を撮り、自分のプレーを分析

フィールド転向後は、ひたすら努力を重ねて成長。抜群の突破力とハードワークが持ち味のアタッカーだ。写真:安藤隆人

画像を見る

 中2でのフィールド転向は、プロを目ざすうえで茨の道であることに変わりはなかったが、受け入れがたい現実に対して目を背けずに、決断を下した。

「プロになりたいと考えた時に、僕の身長ではGKで戦い続けるのは厳しいと思うので、フィールドでやらせてください」

 覚悟を決めた大森は、中学2年生の10月の面談の際に、広島ジュニアユースの高田哲也監督(現・大分トリニータU-18監督)にこう直訴した。当時、GKコーチを務めていた河野直人コーチに「十分に実力はある。やめてほしくない、続けてほしい」と言われたが、「河野コーチの僕を思う気持ちや愛情を感じていたのですが、一度決めたことを覆す気はなかった」と強い意志は変わらなかった。

「やっぱり僕には夢があるので、広島ジュニアユースを辞めてでもフィールドに転向したいです」

 高田監督も河野コーチも、大森のこの不退転の思いを汲み、広島ジュニアユースでのフィールド転向を了承した。
 
 それからは努力を重ねた。全体練習のあとに毎日のように仲間のDFを捕まえて1対1をひたすらやった。スマートフォンで動画を撮って、自分のドリブルの形やタイミングなどを分析し、長所であるスピードとキレを伸ばし、課題であるボールタッチの質や間合いなどをひたすら意識して技を磨き続けた。

 そんな大森の努力をスタッフは見逃さず、転向から2か月はベンチ外だったが、年が明けて新チームが立ち上がると、広島のレジェンドナンバーでもある11番を与え、FWとしてレギュラーに抜擢した。

「技術などは他の選手とは圧倒的に劣るからこそ、全力で前線からボールを追いかける、チームのために走ることを意識したからこそチャンスがもらえたと思う」

 前線からのハードワークと磨いたドリブルを武器に、大森はメキメキと力をつけていく。ユースに昇格はできなかったが、実力が評価されて東海大福岡から誘いをもらって進学。卒業時には高田監督から「お前ならどこでもやれるから頑張れ」とエールをもらった。
 
【関連記事】
「こんな偶然ある?」「隣の席に座った」鄭大世が日本高校選抜DFと新幹線車内で“奇跡の遭遇”! 笑顔の2ショットを公開
「チーム練習を見るより…」本田圭佑が見解。ユース世代で“成功しそうな選手”を見分けるホンダ的視点に反響!「おっしゃる通りかも」「非常に示唆に富んだ原則」
青森山田の10番・小湊絆に突きつけられた現実。だがショックの先にあったのは絶望ではなく大きな希望だった
J1クラブが争奪戦をしたガンバ内定の関西学院大MF美藤倫。なぜ“憧れの先輩”がライバルとなるチームを選んだのか「複雑な気持ちはありますが…」
三笘薫のように――慶應進学の塩貝健人が描くビジョン。文武両道を続け、選手としても、大学生としても土台を固めて次のステージに挑む

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ