• トップ
  • ニュース一覧
  • プロを目ざし、中2でGKからフィールドプレーヤーに転向。東海大福岡FW大森裕介の苦悩と勇気ある決断

プロを目ざし、中2でGKからフィールドプレーヤーに転向。東海大福岡FW大森裕介の苦悩と勇気ある決断

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2023年03月26日

幼稚園からサッカーを始め、年長の頃からGK

東海大福岡の9番を背負う大森。中2までGKで活躍した異色のキャリアを持つ。写真:安藤隆人

画像を見る

 変えられないものに固執したり、悲観したりするのではなく、変えられることを見つけてチャレンジする。

 東海大福岡の背番号9、FW大森裕介を取材して、改めてそのことの重要性を学んだ。彼のプレーは切れ味鋭い切り返しや高速シザーズを駆使した縦への突破とカットイン。俊敏性に優れ、スムーズなステップワークで相手を切り裂いていくタイプのアタッカーだ。

 試合を見ていて、気になったのはそのプレーぶりだけではない。声の出し方が他のフィールドプレーヤーと明らかに違うのだ。逆サイドにボールがある時、「そのまま仕掛けろ!」、「自信を持っていけ」など腹から大声を出していたのだった。これはフィールドというより、GKの声の出し方、声のかけ方のようだった。

 試合後に話を聞くと、「やっぱりわかりますか? 僕、中2までGKだったんです。指示の出し方が独特なのは『GKあるある』ですよね(笑)」と笑顔を見せた。しかし、なぜ中2まで続けたGKを辞めたのかに話を向けると、そこには苦悩と勇気ある決断があった。
 
 幼稚園からサッカーを始めた大森は、年長の頃からGKだった。小学校は広島の名門・シーガルFCに進み、GKとしてメキメキと頭角を現し、ナショナルトレセンに選ばれるまでになった。中学はサンフレッチェ広島ジュニアユースに進み、まさに広島のエリートコースを辿っていた。

 しかし、身長が伸びなかった。小学校時代から160センチ台あり、比較的高いほうだったが、中学生になると次々と抜かされていった。県トレセンにこそ選ばれたが、だんだん受け入れがたい現実と向き合わないといけなくなっていた。

「僕の夢はプロサッカー選手になること。そう考えると、僕のこの身長でGKを続けていては無理だと思った。ここで決断をしないと、遠かれ早かれ、この夢を諦めざるを得なくなってしまう。それは絶対嫌だったし、人生は1回しかないのでフィールドプレーヤーでチャレンジし直したいと思った」

 もちろん簡単な決断ではなかった。GKの楽しさは分かっていたし、できることならGKでプロを目ざしたかった。でも、身長だけはどう努力しても、あがいても、どうしようもないものもある。変えられないものに苦しむより、変えられることで努力を重ねる。

【選手権PHOTO】堀北・ガッキー・広瀬姉妹! 初代から最新18代目の凛美まで「歴代応援マネージャー」を一挙公開!
【関連記事】
「こんな偶然ある?」「隣の席に座った」鄭大世が日本高校選抜DFと新幹線車内で“奇跡の遭遇”! 笑顔の2ショットを公開
「チーム練習を見るより…」本田圭佑が見解。ユース世代で“成功しそうな選手”を見分けるホンダ的視点に反響!「おっしゃる通りかも」「非常に示唆に富んだ原則」
青森山田の10番・小湊絆に突きつけられた現実。だがショックの先にあったのは絶望ではなく大きな希望だった
J1クラブが争奪戦をしたガンバ内定の関西学院大MF美藤倫。なぜ“憧れの先輩”がライバルとなるチームを選んだのか「複雑な気持ちはありますが…」
三笘薫のように――慶應進学の塩貝健人が描くビジョン。文武両道を続け、選手としても、大学生としても土台を固めて次のステージに挑む

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ