逆に今季に入ってクラブで主軸を担っている選手にとっては、大きなチャンスになる。最たる例が川﨑颯太だ。新シーズンから京都でキャプテンを任され、チームを背負う自覚と責任が増した。

　藤田、田中聡（コルトレイク）、山本理仁（G大阪）といったレギュラー格の選手たちが軒並み出場時間を延ばせていないだけに、川﨑にとっては序列を変える大きなチャンス。「自分が（クラブで試合に）出ているから評価されるわけではない。出場数とかカテゴリーとかではなく、このピッチで何を見せられるかが大事」と意気込んでおり、ポジション争いに風穴を開けられるかは見どころのひとつだ。
 

　また、SBも同様に面白い。左のバングーナガンデ佳史扶（FC東京）と右の半田陸（G大阪）がA代表に招集された。逆に考えれば、ほかの選手にとっては大きな好機になる。加藤聖（長崎）、内野貴史（デュッセルドルフ）といった常連組はもちろん、初招集組の中村拓海（横浜FC）や今野息吹（法政大）がどこまでアピールできるか。

　大岩監督も「彼らがA代表からこちらに戻ってきても試合に出られないぐらいの環境が理想」と話しており、現状を変えるうえでまたとない機会になる。斉藤光毅（スパルタ・ロッテルダム）が離脱したウイングや、選手層が薄いCBのポジションも含め、新たな選手の台頭に期待したい。

　24日に戦うドイツは、６月にパリ五輪の最終予選を兼ねたU-21欧州選手権を控えている。「経験値が高い選手がたくさんいる。前線にはスピードがある選手もいて、成熟している選手も多い」と指揮官も警戒しており、本気度が高いチームに対してどこまで戦えるか注目だ。

取材・文●松尾祐希（フリーライター）

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