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名古屋の“ボールを持つ力”は向上の一途。失った勝点2すら糧にして、さらなる前進へとその牙を研ぐ

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2023年03月19日

この序盤5節で上位を争っている理由

 前半、パス交換からダイレクトに背後を狙えるスペースとタイミングが右ウイングバックの森下龍矢に訪れた時、すかさず永井謙佑とキャスパー・ユンカーが走り出したが、森下はパスを下げて保持を選んだ。

 その判断が間違っていたわけではないが、当然のごとく前線のふたりは不満をあらわにする。ボールを持ちたいならば、欠かしてはいけないのが背後を取る意識である。そこを狙ってこないのであれば、相手の守備の難易度は下がる。

 ユンカーは試合後、「ボールは持てていたかもしれないが、もう少しボール回しのスピードを上げるべきだったと思う。もっとボールの動かし方を改善して、もっとスピーディにしていくことは必要」と語った。

 名古屋で存分にその実力を発揮しているストライカーには厳戒マークが日常になってきており、「今日はその分、逆に味方にチャンスを作ることはできたと思う」と対処はできている。

 前節までの4試合で2得点ずつを挙げている永井とユンカーにチャンスがなくとも、マテウスに決定機が2度も訪れたことは、チームとして良いマネジメントができている証拠だが、攻撃の質を上げればさらにユンカーたちにも決定機が生み出せた可能性は大いにあった。
 
 どこまで行っても仕留めていれば勝てた試合には違いないが、なぜそうできなかったかという部分には、ポジティブな悩みとでもいうものが絡んでいる。成長していくチームのポゼッション力、プレス回避力と、最大の武器である速い攻撃への意識の高さ。相手があることだけに一面的な見方ばかりもしていられないのだが、どんな相手にも自分たちのスタイルを発揮するためには見失ってはいけないものもある。

 ただし、悲観する必要はない。ストロングポイントを存分に活かしきるために、何をすべきかという判断基準をチームで共有し実行し続けることは、勝点を稼ぎつつ経験を蓄積できている今だからこそ、強気に向き合えてもいる。

 勝って反省、引き分けてなお真摯に修正へ取り組んでいく好循環は今の名古屋にあり、ホームでの勝利を逃してなおその勢いを失うことはない。

 むしろ次はどれだけ修正してくるかという期待感があり、それがこの序盤5節で上位を争っている理由ではないか。失った勝点2すら糧に変え、名古屋はさらなる前進へとその牙を研ぐ。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)

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