日本の若手が続々と欧州クラブのU-23/U-19チームへ。18歳でオランダ移籍のAZ菅原由勢はこの傾向をどう考える?「J1で活躍できるのなら良いけど…」【現地発】
カテゴリ:海外日本人
2023年02月20日
「欧州に来て2、3試合活躍することは運があればできる。だけど…」
高校を卒業した選手、もしくはJリーグ所属の20歳以下の選手が、欧州U-23/U-19チームに移籍するというケースが増えている。菅原の場合はAZトップチームの一員として1年目から出場時間数を伸ばしてきたわけだが、それでもリザーブチームで足りない分を補うということも経験した。自身の経験を踏まえ、近年の傾向をどう感じているのか、ぜひ訊いてみたいと思っていた。
「いきなり4大リーグのクラブに移籍してプレーする日本人選手もいます。しかし、実際には自分が誰なのか、どういう選手なのか見せつけることは簡単なものではありません。こっちのサッカーに慣れるという意味でも、U-23/U-19チームに移籍することに僕はポジティブです。例えばシャルケの上月(壮一郎)選手のように、リザーブチームからファーストチームに昇格していきなりゴールを決めてスタメンとして出ている選手もいます」
17年のU-17ワールドカップなど、上月壮一郎は菅原と年代別日本代表のチームメイトだった。京都サンガを退団した後、U-23ボルシアMGのテストに受かったはずが破談となり、ドイツ5部のデューレンからシャルケのリザーブチームへ、さらにトップチームへと階段を駆け上がり、現在ブンデスリーガで結果を出している。
「いきなり4大リーグのクラブに移籍してプレーする日本人選手もいます。しかし、実際には自分が誰なのか、どういう選手なのか見せつけることは簡単なものではありません。こっちのサッカーに慣れるという意味でも、U-23/U-19チームに移籍することに僕はポジティブです。例えばシャルケの上月(壮一郎)選手のように、リザーブチームからファーストチームに昇格していきなりゴールを決めてスタメンとして出ている選手もいます」
17年のU-17ワールドカップなど、上月壮一郎は菅原と年代別日本代表のチームメイトだった。京都サンガを退団した後、U-23ボルシアMGのテストに受かったはずが破談となり、ドイツ5部のデューレンからシャルケのリザーブチームへ、さらにトップチームへと階段を駆け上がり、現在ブンデスリーガで結果を出している。
「僕らの世代は反骨心旺盛で、何クソ精神があり、底から這い上がっていく。上月選手は彼自身でトップチームの契約をつかみ取りました。ヨーロッパのスカウトや監督は『日本人選手はクオリティがあって良い』ということを分かってはいる。しかし、選手はそれを特に試合で活躍して見せないといけない。
プロの世界で生きていく上で、J1で活躍できるのなら、それが良い。しかし、上月選手みたいにU-23チームに行くということは、“そのグループ”の中に入っているということ。あとはそこでクオリティを見せつければ、あっという間にトップチームに上がることができるわけなんで、手段の一つとしてありです。U-23バイエルンに行った選手もいますよね(福井太智)。それはすごいこと。U-23バイエルンからオランダリーグに来ている選手が数人います」
U-23バイエルンの監督を務めたエリク・テン・ハーフ(現マンチェスター・ユナイテッド)がユトレヒトの指揮を執ったころ(15~17)からU-23バイエルンからオランダリーグに参戦する選手が増え始め、22年夏の市場では3人がオランダリーグのクラブに移籍。中でもユトレヒトに完全移籍したFWテイラー・ブース(21歳。アメリカ人)の活躍が光る。
「欧州のU-23チームで経験を積み、そこからローンでオランダやベルギーで力を見せれば一気にステップアップできる。若いうちから海外に行くというのはすごく大事です。しかし、それだけでもない。J1で活躍できるのなら、それに越したことはないと思います。欧州に来て2、3試合活躍することは運があればできるんです。だけど、年間を通じてパフォーマンスを発揮して、それをステップアップにつなげていくというのは難しい。そういう力を日本で付けておいた方が良いのかなと思います。
僕の場合はオランダに来てから、シーズンを通じて戦う体力・精神などを学びました。プロのことはほぼ全部、こっちで学んだようなものです。どのような形でヨーロッパに羽ばたくか、これだけが正解というものはないことを、これまでの日本人選手たちは示してきました。これからもそうでしょう」
プロの世界で生きていく上で、J1で活躍できるのなら、それが良い。しかし、上月選手みたいにU-23チームに行くということは、“そのグループ”の中に入っているということ。あとはそこでクオリティを見せつければ、あっという間にトップチームに上がることができるわけなんで、手段の一つとしてありです。U-23バイエルンに行った選手もいますよね(福井太智)。それはすごいこと。U-23バイエルンからオランダリーグに来ている選手が数人います」
U-23バイエルンの監督を務めたエリク・テン・ハーフ(現マンチェスター・ユナイテッド)がユトレヒトの指揮を執ったころ(15~17)からU-23バイエルンからオランダリーグに参戦する選手が増え始め、22年夏の市場では3人がオランダリーグのクラブに移籍。中でもユトレヒトに完全移籍したFWテイラー・ブース(21歳。アメリカ人)の活躍が光る。
「欧州のU-23チームで経験を積み、そこからローンでオランダやベルギーで力を見せれば一気にステップアップできる。若いうちから海外に行くというのはすごく大事です。しかし、それだけでもない。J1で活躍できるのなら、それに越したことはないと思います。欧州に来て2、3試合活躍することは運があればできるんです。だけど、年間を通じてパフォーマンスを発揮して、それをステップアップにつなげていくというのは難しい。そういう力を日本で付けておいた方が良いのかなと思います。
僕の場合はオランダに来てから、シーズンを通じて戦う体力・精神などを学びました。プロのことはほぼ全部、こっちで学んだようなものです。どのような形でヨーロッパに羽ばたくか、これだけが正解というものはないことを、これまでの日本人選手たちは示してきました。これからもそうでしょう」