言葉少なに態度で示す「静かなるリーダー」のタイプ
守備と攻撃の両局面に見られるこうした慎重かつ堅実な姿勢は、CBという「安全第一」のポジションの選手にとっては大きな長所であり、アルテタ監督が信頼を置く大きな理由のひとつだろう。
監督目線で好感が持てるのは、慎重かつ堅実でありながら決して消極的ではなく、リスクを冒すことが許されるシチュエーションでは、躊躇なくそれにチャレンジする状況判断力とインテリジェンスを備えている点。
プレミアリーグ1年目、21歳という若さでこのレベルのパフォーマンスと安定性を備えているとすれば、これから経験を重ねることで、さらに大きく成長する可能性を秘めていると言うことができる。
伸びしろとして指摘できるのは、リーダーシップやパーソナリティーといったメンタル面だ。プレーにおける冷静さ、落ち着き、集中力といった点は申し分ないが、味方とのコミュニケーションや指示は、発する側というよりも受ける側に留まっている。
監督目線で好感が持てるのは、慎重かつ堅実でありながら決して消極的ではなく、リスクを冒すことが許されるシチュエーションでは、躊躇なくそれにチャレンジする状況判断力とインテリジェンスを備えている点。
プレミアリーグ1年目、21歳という若さでこのレベルのパフォーマンスと安定性を備えているとすれば、これから経験を重ねることで、さらに大きく成長する可能性を秘めていると言うことができる。
伸びしろとして指摘できるのは、リーダーシップやパーソナリティーといったメンタル面だ。プレーにおける冷静さ、落ち着き、集中力といった点は申し分ないが、味方とのコミュニケーションや指示は、発する側というよりも受ける側に留まっている。
これはディフェンスリーダーの役割をガブリエウが担っているチーム事情も関係していると思われるが、ピッチ上の振る舞いを見る限り、積極的に指示を出しながら周囲を引っ張っていくというよりは、言葉少なに態度で示す「静かなるリーダー」のタイプ。
キャリアを重ねるにつれて、積極的なリーダーシップが求められる状況も増えるだろうが、その時に期待に応えられるかどうかは今後の課題だろう。
それも含めて総合的に評価すれば、現時点ではファン・ダイクやクリバリ、ルベン・ディアス(マンチェスター・シティ)、ラファエル・ヴァランヌ(マンチェスター・ユナイテッド)といったプレミアリーグのトップを争うCBたちの水準に届いていない。
しかし、今後数年でその域に達するポテンシャルを十分に備えた、ワールドクラス候補と位置付けられる。
※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年11月3日号より転載・加筆。
分析●ロベルト・ロッシ
翻訳●片野道郎
【分析者プロフィール】
ロベルト・ロッシ(Roberto ROSSI)/1962年3月24日生まれのイタリア人監督。MFだった現役時代は、チェゼーナの育成部門でアリーゴ・サッキ(元イタリア代表監督)に、ヴェネツィアではアルベルト・ザッケローニ(元日本代表監督)に師事。99年に引退し、01~07年はラツィオやインテルなどでザッケローニのスタッフ(コーチ兼スカウト)を務める。その後は独り立ちして下部リーグの監督を歴任。19年1月から22年4月までチェゼーナ女子(セリエB)を率いた。現在はフリー。