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「ハイライン守備を支える強いバックボーン」現役監督がアーセナルの若きCBサリバを徹底解剖【前編】

カテゴリ:メガクラブ

ロベルト・ロッシ

2023年01月31日

1対1で彼を抜き去るのは、トップレベルのアタッカーでもきわめて難しい

プレミア3節のボーンマス戦では左足でゴールを決めた。(C)Getty Images

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 彼のスピードは、アーセナルのように最終ラインを高く押し上げて戦うポゼッション志向の強いチームのCBにとって不可欠な要素。裏のスペースに抜け出されるのを怖れてずるずると後退することなく、プレーの展開と相手FWの動きを注視しつつラインを高く保つサリバと、そしてペアを組むガブリエウの振る舞いは、アーセナルのハイライン守備を支える強いバックボーンとなっている。

 ブロック守備における1対1の対人守備も強みのひとつ。当たりの強さにモノを言わせてフィジカルで相手を圧倒するタイプでも、アグレッシブに相手に襲いかかってボールを奪い取るタイプでもないが、接近戦における大柄な体格の使い方を熟知していて、ファウルを取られない範囲でそれを武器にする術を持つ。

 相手との距離の取り方や寄せのタイミング、手を効果的に使ったフィジカルコンタクト時の身体の入れ方など、1対1のデュエルにおける個人戦術のレベルは21歳の若手とは思えない高さにあり、ゴール前での守備の安定感は経験豊かなベテラン並みだ。
 
 フィジカルの強みだけでなく、集中力や冷静な判断力も特筆に値する。無理に食いついてかわされたり、強引なタックルでファウルを取られるよりは、じっくりと相手の動きを見極めてディレイしながら選択肢を奪って追いつめる守備手法を選ぶタイプのDFだ。

 1対1で彼を抜き去るのは、トップレベルのアタッカーでもきわめて難しい。守備時の空中戦は突出して優れているわけではないが、平均点は余裕でクリアしている。正面からのロングボール、サイドからのクロスともに、持ち前の高さに加えて駆け引きの巧さとタイミングの感覚を活かして競り勝つことができる。

 さらに、アルテタ監督がサリバを重用する理由を見ていこう。

(後編に続く)

※『ワールドサッカーダイジェスト』2022年11月3日号より転載・加筆。

分析●ロベルト・ロッシ
翻訳●片野道郎

【分析者プロフィール】
ロベルト・ロッシ(Roberto ROSSI)/1962年3月24日生まれのイタリア人監督。MFだった現役時代は、チェゼーナの育成部門でアリーゴ・サッキ(元イタリア代表監督)に、ヴェネツィアではアルベルト・ザッケローニ(元日本代表監督)に師事。99年に引退し、01~07年はラツィオやインテルなどでザッケローニのスタッフ(コーチ兼スカウト)を務める。その後は独り立ちして下部リーグの監督を歴任。19年1月から22年4月までチェゼーナ女子(セリエB)を率いた。現在はフリー。
 
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