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【リーガ現地コラム】武者修行先で大ブレイク。マドリーの将来を担う驚異の19歳アセンシオ

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2015年11月06日

早期のマドリー復帰はベターな選択とは…。

プレシーズンにはマドリーのトップチームに帯同。才能の豊かさを証明して首脳陣を唸らせたが、早期のクラブ復帰には慎重論も多い。(C)Getty Images

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 若手に関して、マドリーには苦い経験がある。5年前にアセンシオと同じ19歳でマドリーの一員となり脚光を浴びた、セルヒオ・カナレスのケースだ。当時、クラブの伝説の存在であるフランシスコ・ヘントは「カナレスはここで多くのタイトルを獲るだろう」と太鼓判を押し、時の監督ジョゼ・モウリーニョも「グティの後継者」と語っていた。しかし、一時的に出場機会を得えてはいたものの、いつまでも世間の注目を引き続けることはできず、負傷にも悩まされ次第に消えていった。

 大金を投じて世界のスターをかき集めるマドリーというチームで、19歳の若者が出番を確保し続けるのは簡単ではない。それは、現在リーガの主役のひとりとなっているアセンシオにも当てはまる。

 エスパニョールのセルヒオ・ゴンサレス監督は「アセンシオはいかなる時も冷静で、19歳にして成熟している。パーソナリティーに優れ、状況判断も素晴らしい」と、今後もチームの中心に据える考えを示している。

 レベルの高い環境か実戦経験か、これはサッカーにおける永遠のテーマだ。アセンシオに関しても、早くマドリーに戻り、ポジションが重なるクリスチアーノ・ロナウドやガレス・ベイル、ハメス・ロドリゲスらと競わせたほうが良いという意見もある。

 しかし現実を考えた場合、それは本当にベターな選択だろうか。19歳の若者が、現在のマドリーでどれだけの出場時間を得られるのか。

 エスパニョールもリーガ1部というハイレベルな環境の中で戦うクラブに他ならない。彼の生き生きとしたプレーを見ていると、むしろ、さらにもう1年くらい残った方がいいのではないかとさえ思えてくる。落ち着いてサッカーに打ち込める場所で、実戦経験を積みながらじっくりと才能を伸ばすのは、決して悪い選択ではない。


文:豊福晋
 
【著者プロフィール】
豊福晋
1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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