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【藤田俊哉の目】敵の周到な準備と柔軟な戦い方に日本の勢いはねじ伏せられた。ベスト8がとても遠く感じた一戦だった【W杯】

カテゴリ:連載・コラム

藤田俊哉

2022年12月08日

人数を厚くして“縦突破”を封じ込んできた

三笘(9番)への対応を見ても、クロアチアは試合巧者だった。(C)Getty Images

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「PK戦は運だ」と言う人もいる。しかし、今大会での勢いを考えれば、運を持っていたのはむしろ日本のほうだろう。ドイツやスペインを破って試合を重ねるごとにチームとしての戦い方を手にし、確固たる自信も掴んで“死のグループ”を首位で突破してきた。

 対してクロアチアはグループステージ最終戦で、ベルギーに負ければ敗退という状況下で、相手FWのルカクのシュートミス連発によってドローに持ち込んでのグループ2位での突破だった。

 チームの勢いは明らかに日本のほうが上と見るべきで、いよいよベスト8進出のチャンスが訪れたと、誰もが感じていたはずだ。

「運も実力のうち」と言う人もいる。その運を手繰り寄せるだけの経験値が、クロアチアのほうが日本よりも上だったことは、三笘のサイドに守備の人数を厚くして“縦突破”を封じ込んできた抜け目なさからも窺い知れた。
 
 スペイン戦では、三笘のゴールライン際で折り返した「1ミリ」の差によって、運を引き寄せた。しかし、クロアチアはその三笘を勝負させるスペースを埋めて日本の攻撃力を半減させ、ドイツ戦で決勝ゴールを奪った浅野拓磨のカウンターにも2人のDFが常に余って対応してきた。

 周到な準備と柔軟な戦い方。その2つを持って日本の勢いをねじ伏せたクロアチアを、試合巧者と言わずしてなんて言うのだろうか。

 ベスト8への壁は目の前にあったが、とても遠く感じた一戦でもあった。

【著者プロフィール】
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水商高―筑波大―磐田―ユトレヒト(オランダ)―磐田―名古屋―熊本―千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からオランダ2部VVVフェンロのコーチとして指導にあたり、2016-17シーズンのリーグ優勝と1部復帰に導いた。以後、イングランドのリーズ・ユナイテッドや日本サッカー協会のスタッフなどを歴任。今年9月に古巣・磐田のスポーツダイレクターに就任した。

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