【鹿島】V字回復をもたらした石井監督が施した蘇生術とは?

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2015年11月01日

継承されてきた「ジーコ・スピリッツ」。立ち返る場所がある強み。

選手時代のジーコの教えを自らの指針としているという。復活への一歩もジーコが伝えた「基本のプレーを判断良くスピーディに実践する」というものだった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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「ジーコのプレーを見てもらえば分かると思うのですが、ネイマールのようにボールをまたいで相手をかわすようなプレーもしないです。でも、必ず1対1は相手のタイミングを外して抜けたりとか、一瞬のスピードが速かったりだとか、味方に出すパスがスムーズにいくように足下に収まったりだとか。本当にサッカーの基本のプレーを判断良くスピーディに実践していた。その言葉は僕の中にずっと残っていました。それをやり続けなきゃいけないんだなと思いましたね」
 
 布陣も1トップから2トップに変え、自分たちからボールを奪いに行く守備の構築を目指した。球際で戦う意識付けを毎回のミーティングで説き、練習のスライディングも解禁した。サッカーにおいて、ましてやシーズン途中ということを考慮すれば、大きな変更だ。それでも、スムーズに移行できたのは、選手の理解があってこそ。それを呼び込んだのも、石井監督の人柄だった。
 
 遠藤はこう明かす。
「石井さんや、コーチの剛さん(大岩)、ヤナギさん(柳沢敦)たちスタッフがチームを何とか立て直そうと、必死になっている姿を毎日見ている。選手である自分たちがやらなきゃ、いけないでしょ。石井さんたちが、自分らにそう思わせるんだよね。(コーチ時代も含めて、真摯な)人柄を知っているから、それが大きい」
 
 石井監督は鹿島本来の姿に戻した。そう言えば、簡単に聞こえるが、「ジーコ・スピリッツ」に代表されるクラブのベースを、創設から25年間、一貫して大事にし、継承してきたからこそのV字回復、そして今回のナビスコカップ優勝と言える。迷った時に、立ち返る場所がある。おおよそ四半世紀、鹿島で過ごし、アントラーズレッドの血が流れる石井監督だからこそ、なし得た17冠獲得だった。
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