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PK戦に“持ち込まれた”クロアチア戦、森保Jはなぜ敗れたのか。ビルドアップの駆け引き、プレー精度など改善ポイントは山ほどある【W杯】

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2022年12月07日

クロアチアのハイプレス転換にリズムを崩された

体調不良でクロアチア戦はベンチ外となっていた久保。試合翌日に「(PK戦に)持ち込まれた、という感覚で見ていました」と印象を語った。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 しかし後半からは、クロアチアがその対応力を見せ始める。

 日本の5-4-1の網の中には、前半のようには入って来なくなった。アンカーもインサイドハーフも外へ出て、サイドで数的優位を作ってボールを回し、じわじわと押し上げてから、突破せず、そのまま逆サイドへハイクロス。放り込みパターンを多用するようになった。

 すると55分、日本は伊東の箇所でペリシッチにヘディングシュートを打たれ、同点ゴールを許す。ウイングバックに攻撃的な選手を置いた場合、どうしても隙になりやすいエリアであり、それを狡猾なクロアチアに突かれてしまった。

 またクロアチアは守備もハイプレスに切り替え、日本のゴールキック時に前線からマークを当てはめてきた。あまり話題になっていなかったが、日本はスペイン戦ではポゼッション率20パーセントの割に、ロングキックを簡単に蹴らず、積極的なビルドアップを試みていた。クロアチア戦も、そのチャレンジの流れを継ぎ、前半はよくボールを動かせていた。

 ところが、そうやって日本のリズムを作っていたポゼッションが、後半のクロアチアのハイプレス転換によって崩され、徐々に日本はロングキックへ傾いた。ピッチ状態が悪かったこと、後方でミスが出てショートカウンターを食らいかけたことなど、複数の要因があり、以降はGKからつなぐのをやめた。
 
 ただし、この状況でも日本は浅野拓磨を投入し、ロングボールで相手を裏返そうとしていた。狙いは徹底して右サイド。浅野が走り、途中出場の酒井宏樹もターゲットになったが、浅野は裏抜けがグバルディオルに全く通じず、酒井の競り合いはファウルを取られた。せめて、浅野が早めにポストプレーに切り替えてくれれば良かったが、少し愚直すぎた。

 プランAに続き、このプランBが詰まったのは痛かった。三笘薫の単独ドリブルからのシュートなど、2-1になってもおかしくない機会はあったが、それ以上のチャンスを増やすのも可能だったはず。

 結果、日本はPK戦に持ち込まれてしまった。遠藤など多くの選手は、「持ち込まれた」という印象を持っていた。体調不良により、この試合をベンチ外で観戦していた久保建英も、試合翌日に率直な印象を語っている。

「クロアチアは試合巧者というより、それ以外にできることがなく、それをやっていただけ。でも日本は疲労があって、それを押し返せずに、PK戦に持ち込まれました。持ち込まれた、という感覚で見ていました」

 逆にPK戦に持ち込んだクロアチアは、入念にPKの準備をしており、GKリバコビッチがスーパーセーブを連続。日本は敗れてしまった。

 PK戦の技術向上、相手のハイプレス転換に対するビルドアップの駆け引き、ロングボールを使った際のプレー精度など、改善できるポイントは山ほどある。おそらく、それらすべてを改善させた先はベスト8ではなく、ベスト8「以上」。4年後に向け、日本代表の活動はすぐに始まる。

取材・文●清水英斗(サッカーライター)

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