英国人記者が見た「“喋らない”モウリーニョ」。”少年との衝突事件”とその余波

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2015年10月30日

11節のリバプール戦の結果次第では、解任される可能性が高いとも。

リーグ10節のウエストハム戦に続き、27日のキャピタルワンカップでもストークに敗れたチェルシーは、かつてない不振に苦しんでいる。(C)Getty Images

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 10月21日付の『インデペンデント』紙や『サン』紙などの複数メディアが“少年との衝突事件”(編集部注:ロンドン市内でモウリーニョ監督を発見した少年が、携帯で動画を撮ろうとしたところ、同監督が撮影に気づいて少年を押し飛ばしたとされる問題)を報じたのが機嫌を損ねた要因で、モウリーニョは普段ほどメディアに対して協力的ではなかった。彼は「私はなんの問題も抱えていない」と主張したものの、この報道の影響を受けているのは火を見るより明らかだった。
 
 そして翌日のウェストハム戦、チェルシーは1-2で敗れた。チームはリーグ15位(10節終了時)に沈み、ある新聞が11節のリバプール戦の結果次第では、解任される可能性が高いと報じている。
 
 モウリーニョが、チェルシーでプレッシャーをかけられている光景は非常に珍しい。もしチェルシーが土曜日にホームで行なわれるリバプール戦に負ければ、リーグ戦11試合目にして早くも6敗目を喫することになる。すでにキャピタルワンカップではPK戦の末に敗退、チャンピオンズリーグでも苦しいスタートを強いられている。
 
 確かに、チェルシーのチーム状態は良くない。ウェストハム戦の敗戦は、滅多にあることではなく、私がウェストハムのユースでプレーし、クラブへの思い入れがあることを差し引いても、大きな驚きだったのは間違いないだろう。

 ただ、これは個人的な意見だが、チェルシーがモウリーニョ解任を選択すれば、チームは、強豪復活どころか、よりマイナスの道を進むだろう。そんなに決断を急ぐことだろうか、なぜ彼に時間を与えられないのだろうか。
 
 いずれにしても、予想外の不振が続くチェルシーの動向からは目が離せない。まあ、モウリーニョの去就の行方にかかわらず、ブライアンは我々をいつものようにもてなしてくれるのだろうが。
 
 では、また次回のコラムでお会いしましょう。

文:スティーブ・マッケンジー
 

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。

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