スーパーミドルで“レフティ・モンスター”の本領を発揮した野津田。

野津田は持ち味であるシュートを意識し、「前が開いたら打つ」つもりで試合に臨んだという。その狙いが奏功し、66分には約30メートルのミドルシュートを豪快に決めた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
浅野の活躍に呼応するかのように躍動したのが、クラブのチームメイトでライバルでもある野津田だ。
27日の福岡大戦では、足もとでボールを受けることができず、ダイナミックなプレーは影を潜めた。一夜明けた28日の練習後には「自分の武器がなんなのか、原点に立ち返りたい」と話していたが、鳥栖戦では「前が開いたらシュートを打つ」つもりでプレーしたという。
62分から交代出場で右MFに入った野津田は、中島からパスを受けたファーストプレーで宣言どおりにミドルレンジからシュートを放つ。すると、見せ場はその4分後にやってくる。右サイドでボールを持つと、中央にドリブルしながら、やや前に出ていたGKの位置も計算に入れて思い切り左足を振り抜く。約30メートルの距離から放たれたシュートは急落下し、綺麗な放物線を描いてそのまま鳥栖ゴールに突き刺さった。
「ボールをしっかり捉えて、すくい上げて押し出すイメージだった。上から下に落ちるシュートの軌道は狙いどおりだし、自分の得意な形。(ゴールまでの距離が)遠くて、相手のGKも少し前に出ていて予測はできていなかったと思うので、思い切って蹴った」
鳥栖戦ではアジア最終予選用のボールが使用され、本人的には「蹴りやすかった」のも追い風だった。なによりも自分を信じてアグレッシブさを貫いたからこそのゴール。決まった瞬間には、思わずガッツポーズが飛び出した。
「自分が出る前にチームとして得点を重ねていたので、自分も負けずに点を取らないといけないなというプレッシャーは感じていた。自分の良さはシュートで、そこは他の選手には負けていないと思っている。久々のゴールで気持ちが良かったし、前の試合(福岡大戦)から修正して、ボールを引き出してプレーできたのも含めて、個人的に大きな収穫があるゲームになった」
チームが苦しい時に、自分が点を取らないといけない――。ポジションこそ2列目だが、野津田には攻撃の中核を担っていく自覚と責任感がある。7月のコスタリカ戦以降、ゴールが遠ざかり葛藤もあったが、しっかりとアピールに成功した。野津田の目はもちろん、リオ五輪出場、そしてその先のロシアも見据えている。
「ワールドカップに出るのが、今の最大の目標。そういう意味ではオリンピックは“通過点”ではあるけど、小さい頃からの夢でもあるし、まずはそこで活躍しないと先には進めない。(オリンピックは)自分にとって大きな意味を持つ大会なので、リオに行けるように、国民の皆さんの期待に応えられるように、頑張っていければいいと思う」
鳥栖戦の浅野と野津田のプレーを目の当たりにしたら、アジア最終予選、そして待望の世界と相対するリオ五輪で活躍するふたりの姿を想像せずにはいられない。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
27日の福岡大戦では、足もとでボールを受けることができず、ダイナミックなプレーは影を潜めた。一夜明けた28日の練習後には「自分の武器がなんなのか、原点に立ち返りたい」と話していたが、鳥栖戦では「前が開いたらシュートを打つ」つもりでプレーしたという。
62分から交代出場で右MFに入った野津田は、中島からパスを受けたファーストプレーで宣言どおりにミドルレンジからシュートを放つ。すると、見せ場はその4分後にやってくる。右サイドでボールを持つと、中央にドリブルしながら、やや前に出ていたGKの位置も計算に入れて思い切り左足を振り抜く。約30メートルの距離から放たれたシュートは急落下し、綺麗な放物線を描いてそのまま鳥栖ゴールに突き刺さった。
「ボールをしっかり捉えて、すくい上げて押し出すイメージだった。上から下に落ちるシュートの軌道は狙いどおりだし、自分の得意な形。(ゴールまでの距離が)遠くて、相手のGKも少し前に出ていて予測はできていなかったと思うので、思い切って蹴った」
鳥栖戦ではアジア最終予選用のボールが使用され、本人的には「蹴りやすかった」のも追い風だった。なによりも自分を信じてアグレッシブさを貫いたからこそのゴール。決まった瞬間には、思わずガッツポーズが飛び出した。
「自分が出る前にチームとして得点を重ねていたので、自分も負けずに点を取らないといけないなというプレッシャーは感じていた。自分の良さはシュートで、そこは他の選手には負けていないと思っている。久々のゴールで気持ちが良かったし、前の試合(福岡大戦)から修正して、ボールを引き出してプレーできたのも含めて、個人的に大きな収穫があるゲームになった」
チームが苦しい時に、自分が点を取らないといけない――。ポジションこそ2列目だが、野津田には攻撃の中核を担っていく自覚と責任感がある。7月のコスタリカ戦以降、ゴールが遠ざかり葛藤もあったが、しっかりとアピールに成功した。野津田の目はもちろん、リオ五輪出場、そしてその先のロシアも見据えている。
「ワールドカップに出るのが、今の最大の目標。そういう意味ではオリンピックは“通過点”ではあるけど、小さい頃からの夢でもあるし、まずはそこで活躍しないと先には進めない。(オリンピックは)自分にとって大きな意味を持つ大会なので、リオに行けるように、国民の皆さんの期待に応えられるように、頑張っていければいいと思う」
鳥栖戦の浅野と野津田のプレーを目の当たりにしたら、アジア最終予選、そして待望の世界と相対するリオ五輪で活躍するふたりの姿を想像せずにはいられない。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)