【リーガ現地コラム】覚醒したノリートに宿る「特別なオーラ」

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2015年10月29日

停滞感が否めないスペイン代表にとってもプラスに。

サイドを起点としながら独力でフィニッシュまで持ち込めるタイプは、いまのスペイン代表には不在。来年のEUROでノリートの突破力は母国の大きな武器となりうる。(C)REUTERS/AFLO

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 時が経ち、ノリートは29歳になった。バルサでは芽が出ず、ベンフィカとグラナダを経て、13年夏に入団したセルタでついに開花した。
 
 リーガの主役とも言える立場になるまで少し時間はかかったが、そのぶん、いまの彼は誰よりもサッカーを楽しんでいるように見える。マドリー戦で決めたような華麗なゴールを、これから何度も見せてくれるだろう。
 
 6年前のペドロは絶好調だったシーズンを終え、そのままスペイン代表に招集されてワールドカップ優勝まで経験。ノリートも、来年のEUROでスペイン代表にとって重要な選手になるのではないか。
 
 サイドを幅広く使え、1対1でインに仕掛けてシュートに持ち込むタイプは、現代表にはいない。ダビド・シルバもファン・マヌエル・マタも、そしてペドロも、スタイルは異なる。
 
10月12日のウクライナ戦でノリートを先発起用したビセンテ・デル・ボスケ監督も、「彼は我々にないものをもたらしてくれる」と話していた。
 
「夢は代表のユニホームを着て大舞台に出ること」
 
 ノリートは言う。
 
 少なくとも、今の調子を維持する限り、そしてその背中に説明のつかないオーラが宿る限り、指揮官は代表に呼び続けるべきだ。
 
 どこか停滞感の否めないスペイン代表にとって、遅れてきた男の勢いは、きっとプラスになる。
 
文:豊福晋
 
【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
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