停滞感が否めないスペイン代表にとってもプラスに。
時が経ち、ノリートは29歳になった。バルサでは芽が出ず、ベンフィカとグラナダを経て、13年夏に入団したセルタでついに開花した。
リーガの主役とも言える立場になるまで少し時間はかかったが、そのぶん、いまの彼は誰よりもサッカーを楽しんでいるように見える。マドリー戦で決めたような華麗なゴールを、これから何度も見せてくれるだろう。
6年前のペドロは絶好調だったシーズンを終え、そのままスペイン代表に招集されてワールドカップ優勝まで経験。ノリートも、来年のEUROでスペイン代表にとって重要な選手になるのではないか。
サイドを幅広く使え、1対1でインに仕掛けてシュートに持ち込むタイプは、現代表にはいない。ダビド・シルバもファン・マヌエル・マタも、そしてペドロも、スタイルは異なる。
10月12日のウクライナ戦でノリートを先発起用したビセンテ・デル・ボスケ監督も、「彼は我々にないものをもたらしてくれる」と話していた。
「夢は代表のユニホームを着て大舞台に出ること」
ノリートは言う。
少なくとも、今の調子を維持する限り、そしてその背中に説明のつかないオーラが宿る限り、指揮官は代表に呼び続けるべきだ。
どこか停滞感の否めないスペイン代表にとって、遅れてきた男の勢いは、きっとプラスになる。
文:豊福晋
【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
リーガの主役とも言える立場になるまで少し時間はかかったが、そのぶん、いまの彼は誰よりもサッカーを楽しんでいるように見える。マドリー戦で決めたような華麗なゴールを、これから何度も見せてくれるだろう。
6年前のペドロは絶好調だったシーズンを終え、そのままスペイン代表に招集されてワールドカップ優勝まで経験。ノリートも、来年のEUROでスペイン代表にとって重要な選手になるのではないか。
サイドを幅広く使え、1対1でインに仕掛けてシュートに持ち込むタイプは、現代表にはいない。ダビド・シルバもファン・マヌエル・マタも、そしてペドロも、スタイルは異なる。
10月12日のウクライナ戦でノリートを先発起用したビセンテ・デル・ボスケ監督も、「彼は我々にないものをもたらしてくれる」と話していた。
「夢は代表のユニホームを着て大舞台に出ること」
ノリートは言う。
少なくとも、今の調子を維持する限り、そしてその背中に説明のつかないオーラが宿る限り、指揮官は代表に呼び続けるべきだ。
どこか停滞感の否めないスペイン代表にとって、遅れてきた男の勢いは、きっとプラスになる。
文:豊福晋
【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。